こうなってしまうと「往き付くところまで」…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2022/09/07 11:26

◆ “ストップロス”炸裂… - 143円到達


なんだ、なんだ…?

“原油高→本邦貿易赤字拡大→円売り”が発生することはありませんでしたが、昨日は“豪利上げ→金融政策の立ち位置の違い”が改めてクローズアップされました。
このため“円売り”がマーケットを席巻し、欧州タイム序盤に“141円”を突破したドル円は、あれよあれよという間に“143.081円”へと駆け上がっていきました。
ストップロスを絡めたと見られますが、本日に入ってからはさらに“143.556円”まで上値を伸ばす動きが見られています。

◆ “一過性”への懸念はついて回るが…?


全くもって見誤った格好といえますが、こうなってしまうと現水準が“真空地帯”であるだけに「往き付くところまで…」という可能性を懸念せざるを得ないところです。
特に「“日銀 VS その他主要中銀”の金融政策の違い」がテーマとなっているだけに、“円売りへの仕掛けが入りやすい”という可能性も否めないからです。

ただあまりに早過ぎる上昇スピードには、“一過性”への懸念がついて回ります。
特にストップロスを大量に巻き込んだだけに「なかなか止まらない」としても、「(たとえ利益確定売りであっても)下がり出したら速い」という懸念もついて回ります。

◆ テクニカル的には“上値余地有”…!?


大きな上値メドは“98/8/11高値(147.660円)”まで不在というテクニカルですが、マイナーな上値メドとしては“98/8/28高値(144.250円)”“98/8/26高値(144.880円)”等の存在もあります。
それでもまだまだ“上値余地有”ということになり、“戻り売り”は危険という状況も変わりませんが、「口先介入」の可能性もあります。
見誤ったばかりだけに静観としますが、少し気にしておきたいところです。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン


上値5:144.250(98/8/28高値)
上値4:144.000(大台)
上値3:143.837(ピボット1stレジスタンス)
上値2:143.446(5/24~7/14-8/2の100%返し、+2σ)
上値1:143.081(9/6高値、大台)
前営業日終値:142.799
下値1:142.293(9/6安値後の38.2%押し)
下値2:142.000(大台)
下値3:141.849(9/2~9/6の38.2%押し、9/6安値後の50%押し)
下値4:141.469(9/2~9/6の50%押し、9/6安値後の61.8%押し)
下値5:141.141(8/30~9/6の38.2%押し)

《10:55》

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想