リスクは“もう一段のドル売り”の方が大きいが…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2022/08/26 11:18

◆ もう一段“ドル買い”に調整… - “136円前半”


パウエルFRB議長講演を翌日に控えるスケジュール感の中、昨日も“動意に乏しい”を強いられました。
ただ米10年債利回り上昇が一服したこともあり、進行してきた“ドル買い”にも調整圧力がかかっています。
こうしてドル円は“136.312円”へ値を落とす場面を見せました。

一方で、あくまで“ポジション調整”と見られる動きですので、“方向感定まる”に至ることはありませんでした。
こうして基本的には“膠着”を続けたまま、昨日の取引を終えています。

◆ いよいよ大一番 - パウエル議長講演


こうした中、いよいよ本日は「パウエルFRB議長講演」が行われます。
ポイントとなるのは、「米利上げペース加速」に対するニュアンスといえます。
“タカ派(景気支援よりインフレ抑止優先)”を改めて示せば、“金利選好→ドル買い”が再燃する可能性があります。
一方で“ややハト派寄り(景気にも配慮)”に舵を切るようなことがあると、“もう一段の巻き戻し(金利低下→ドル売り)”が台頭する可能性が否めないところです。
蓋を開けるまで結果はわかりませんが、短期金先市場では「米9月0.75%利上げ or 0.50%利上げ」の可能性では“前者優勢(60%強)”となっています。
リスクとしては“後者が大きい”といえるかもしれません。

◆ その前に… - PCEコア・デフレータ


もう一つ、その講演前に「PCEコア・デフレータ」の発表が予定されています。
インフレ動向を探る上で、FRBが最も重要視している指標とされるものですので、講演前に思惑が揺れ動き始める可能性が否めないところがあります。

いずれにしても本日は、「その結果次第」…。
それまでは“膠着(上を下への揺れ動き?)”を想定しつつ、“どちらにも振れる可能性あり”、そして“その際の変動は大きい”と考えて、神経質なマーケットと対峙したいところです。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン

※パウエルFRB議長講演が予定されていますので、いつもより値幅を拡大しています。

139.410(7/14高値《年初来高値》)
139.123(7/15高値)
139.000(大台)
138.874(7/21高値)
138.564(7/18高値)
138.385(7/19-20高値)
138.179(+2σ)
137.955(7/22高値、大台、ピボットハイブレイクアウト)
上値5:137.699(8/23高値)
上値4:137.550(ピボット2ndレジスタンス)
上値3:137.243(8/24-25高値)
上値2:137.000(大台、ピボット1stレジスタンス)
上値1:136.632(日足・一目均衡表先行スパン上限)
前営業日終値:136.497(+1σ)
下値1:136.312(8/25安値、8/23~8/24の61.8%押し水準)
下値2:136.171(8/24安値、ピボット1stサポート)
下値3:136.000(大台)
下値4:135.814(8/23安値、ピボット2ndサポート)
下値5:135.725(8/19安値、50日移動平均線)
135.577(8/8高値)
135.416(8/11~8/23の38.2%押し)
135.323(日足・一目均衡表転換線)
135.259(ピボットローブレイクアウト)
135.000(大台)
134.901(週足・一目均衡表転換線)
134.804(20日移動平均線)
134.711(8/11~8/23の50%押し)

《10:40》

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想