今週のポイント
今週は、米国のNY連銀製造業景気指数や小売売上高が発表され、またFOMC(米連邦公開市場委員会)議事録が公表されます。それらが米経済の先行きへの懸念や米FRBの利上げ観測を後退させるような内容になれば、米ドルが軟調に推移して豪ドル/米ドルは上昇する一方、米ドル/カナダドルは下落する可能性があります。NZドル/米ドルについては、17日のRBNZ(NZ中銀)政策会合の結果にも影響を受けそうです。
米国など主要国の株価が大きく変動すれば、株価が材料になる可能性があります。株安を進む場合にはリスクオフ(リスク回避)の動きが強まり、豪ドル/円やメキシコペソ/円などクロス円が軟調に推移するかもしれません。
TCMB(トルコ中銀)が18日に政策会合を開きます。トルコのインフレ率は非常に高いものの(7月のCPI上昇率は前年比79.60%)、TCMBは政策金利を14.00%に据え置くとみられます。金融政策に大きな影響力を及ぼしているエルドアン大統領は低金利を志向しているからです。TCMBが政策金利を据え置けば、トルコの実質金利(政策金利からCPI上昇率を引いたもの)のマイナス幅の大きさが市場で改めて意識されて、トルコリラに対して下押し圧力が加わる可能性があります。
今週の注目通貨ペア(1): <豪ドル/NZドル 予想レンジ:1.09500NZドル~1.11700NZドル>
RBNZ(NZ中銀)が17日に政策会合を開きます。その結果が豪ドル/NZドルの動向に影響を与えそうです。
RBNZはインフレを抑制するために前回7月まで6会合連続で利上げを行っており、現在の政策金利は2.50%です。NZの4-6月期CPI(消費者物価指数)は前年比7.3%と、上昇率は1-3月期の6.9%から加速し、RBNZのインフレ目標(1~3%)から一段とかけ離れました。RBNZは8月17日の会合で政策金利をさらに引き上げるとみられ、利上げ幅は直近3会合と同じく0.50%になりそうです。
その通りの結果になれば、RBNZの政策金利見通しに注目です。RBNZは5月時点で、政策金利は23年4-6月期に3.95%でピークに達するとの見通しを示しました。政策金利のピークの水準が上方修正されれば、NZドルが堅調に推移し、豪ドル/NZドルは下落する可能性があります。豪ドル/NZドルは、1.09533NZドル(6/24安値)が下値メドです。
今週の注目通貨ペア(2):<カナダドル/円 予想レンジ:102.500円~107.000円>
BOC(カナダ中銀)は前回7月まで4会合連続で利上げを実施。現在の政策金利は2.50%です。
市場では、BOCは次回9月7日の会合でさらに0.50%の利上げを行い、その後は利上げペースを落とすとの観測があります。BOCの年内の会合は9月を含めてあと3回です(9/7、10/26、12/7)。カナダの7月CPI(消費者物価指数)が8月16日に発表されます。CPIが市場予想の前年比7.6%を上回る結果になれば、10月の会合でも0.50%利上げするとの観測が市場で強まる可能性があります。その場合、カナダドル/円の支援材料となりそうです。
原油価格(米WTI原油先物など)や主要国株価の動向には注意が必要かもしれません。原油価格や株価が下落を続けるようなら、BOCの利上げ観測が強まったとしても、カナダドル/円は伸び悩む可能性があります。
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