~ワッツブランドの本格展開に続き、次なる事業再構築へ~
【ポイント】
・円安が進行している。均一価格に対して、輸入仕入れコストが上がってくる。仕入れ商品の見直し、高価格商品へのシフト、グループ業態との連携、海外への卸売りなどによって、対応を進めている。
・今2022年8月期は、出店拡大と買収効果で売上は伸びるものの、営業利益は減益となる。コロナの特需一巡、出店競争の激化、のれんやシステム投資の償却増、230店の新規出店計画などが負担となろう。ただし、当初見込みより減益幅は縮小している。
・ワッツは、音通から100円ショップ事業約140店(音通エフ・リテール)を買収した。昨年10月から連結に入っている。年商80億円、のれんの償却を入れても、来2023年8月期からは営業利益でプラスに持っていけよう。かつて音通から北海道の100円ショップを譲受して再生させた経験もあり、収益力の向上は十分期待できよう。
・円安の影響は、来期からフルに出てくる。どこまで吸収していけるか。買収後の統合効果が出てくるので、一定の成果はあろう。円安で海外への卸売りも好転しよう。ブォーナ・ビィータは引き続き黒字化を目指して見直しを進めている。100円ショップとの連携が始まっており、その効果を見極めようとしている。
・プライム市場の条件を満たすべく、2024年8月期までの中期3ヵ年計画で、営業利益21億円を目指す。流通株式時価総額で100億円以上をクリアする必要がある。流通株式比率が60%なので、時価総額全体では170億円以上を維持したい。
・今後の経営方針は、1)円安対応を急ぐ、2)委託販売を一段と強化する、3)ファッション雑貨事業など、グループでの連携を強化する、4)海外は卸売を中心に継続を図る、という展開になろう。三位一体で、当社の強みを強化するという戦略である。
・主力の100円ショップ業界は競争が激化しており、同質化すると下位は不利になる。小回りのきく店舗展開で優位性を発揮しつつ、プライム市場の条件クリアも含めて、次の構造改革に手を打っていく。その進捗に注目したい。
目次
1.特色 規模では業界4位ながら、小回りがきく存在
2.強み 迅速な出退店と独自の店舗オペレーションで収益を確保
3.中期経営方針 ワッツブランドをベースに高付加価値化を推進、M&Aも実行
4.当面の業績 円安への対応に向け、グループ連携を強化
5.企業評価 収益源の多様化に挑戦中
企業レーティング | B |
---|---|
株価 (2022年7月27日) |
735円 |
時価総額 | 102億円 (13.898百万株) |
PBR | 0.86倍 |
ROE | 7.1% |
PER | 11.9倍 |
配当利回り | 2.0% |
総資本 | 25282百万円 |
純資産 | 11633百万円 |
自己資本比率 | 46.0% |
BPS | 856.9円 |
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 | EPS | 配当 |
---|---|---|---|---|---|---|
2013.8 | 41725 | 2074 | 2075 | 1123 | 88.6 | 17.0 |
2014.8 | 43573 | 1784 | 1799 | 948 | 70.0 | 17.0 |
2015.8 | 44462 | 1257 | 1263 | 700 | 51.7 | 17.0 |
2016.8 | 46176 | 1205 | 1193 | 718 | 53.0 | 15.0 |
2017.8 | 47494 | 1209 | 1272 | 839 | 62.0 | 15.0 |
2018.8 | 49480 | 1000 | 1037 | 633 | 46.8 | 15.0 |
2019.8 | 51399 | 716 | 656 | 70 | 5.3 | 10.0 |
2020.8 | 52795 | 1768 | 1731 | 774 | 57.8 | 15.0 |
2021.8 | 50702 | 1669 | 1586 | 965 | 72.1 | 22.0 |
2022.8(予) | 58000 | 1100 | 1150 | 830 | 61.6 | 15.0 |
2023.8(予) | 62000 | 1200 | 1200 | 690 | 50.8 | 15.0 |
(2022.5ベース)
(注)ROE、PER、配当利回りは今期予想ベース。2013年3月1日で1:2の株式分割。2013.8期、2014.8期の配当は、東証2部、1部への変更記念配2円、2015.8期の配当は創業20周年の記念配2円を含む。
企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。
レポート全文はこちらから
https://www.belletk.com/waltutu202207.pdf
関連銘柄
銘柄 | 株価 | 前日比 |
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(12/11)
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