今週のポイント
SARB(南アフリカ中銀)は21日の政策会合で0.75%の利上げを行うことを決定。政策金利を4.75%から5.50%へと引き上げました。会合では、3人が0.75%の利上げ、1人は0.50%の利上げ、1人は1.00%の利上げを支持しました。
SARBが市場予想(0.50%)を上回る幅の利上げを行ったことや、会合でより大幅な1.00%の利上げを主張したメンバーがいたことは、南アフリカランドにとってプラス材料と考えられます。SARBの強いインフレ抑制姿勢が意識されれば、南アフリカランドは底固く推移しそうです。
豪州の4-6月期CPI(消費者物価指数)が27日に発表されます。その結果が8月2日の会合におけるRBA(豪中銀)の政策判断に大きな影響を与えると考えられ、要注目です。CPIが市場予想を上回る結果になれば、豪ドルが堅調に推移する可能性があります。
米国など主要国の株価動向には要注意です。主要国株価が下落を続ける場合、リスクオフ(リスク回避)の動きが市場で強まるかもしれません。リスクオフは円高や米ドル高の要因であるため、リスクオフが強まる場合には、豪ドルやNZドルは対円や対米ドルで上値が重い展開になりそうです。米ドル/カナダドルについては、米FOMCの結果にも影響を受けそうです。
今週の注目通貨ペア(1):<豪ドル/NZドル 予想レンジ:1.09500NZドル~1.11700NZドル>
RBA(豪中銀)は7月5日の政策会合で0.50%利上げすることを決定。政策金利を0.85%から1.35%へと引き上げました。
市場では、RBAは次回8月2日の会合でさらに0.50%利上げを行うとの見方が有力です。7月27日発表の豪州の4-6月期CPI(消費者物価指数)が市場予想(総合指数;前年比6.3%、トリム平均値:同4.7%)を上回る結果になれば、0.75%の利上げ観測が浮上するかもしれません。0.75%の利上げ観測が強まることは豪ドルにとってプラス材料であり、豪ドル/NZドルは上値を試す可能性があります。
一方で、RBNZ(NZ中銀)は次回8月17日の会合で0.50%の利上げを行うと市場はみており、NZドルにもプラス材料があります。豪CPIが市場予想を上回ったとしても、豪ドル/NZドルが直近高値である1.11623NZドルを上抜けるのは簡単ではなさそうです。
今週の注目通貨ペア(2):<カナダドル/円 予想レンジ:103.000円~107.500円>
BOC(カナダ中銀)は7月13日の政策会合で1.00%利上げすることを決定。政策金利を1.50%から2.50%へと引き上げました。
カナダの6月CPIは前年比8.1%と、上昇率は前月の7.7%から加速。83年1月以来、約40年ぶりの高い伸びとなり、BOCのインフレ目標(2%を中心に1~3%のレンジ)から上方へ一段とかい離しました。
インフレ圧力の強さが再確認されたことで、BOCは次回9月7日の会合でさらに利上げを行うとみられます。利上げ幅については、0.50%との見方が市場では有力です。一方で、日銀は7月21日の会合で金融政策の現状維持を決定し、大規模な金融緩和策を今後も続ける意向を表明しました。BOCと日銀の金融政策面をみれば、カナダドル/円は上値を試す展開になりそうです。
主要国の株価や原油価格の動向には注意が必要かもしれません。世界経済の先行きをめぐる懸念が市場で強まれば、主要国株価や原油価格に対して下押し圧力が加わりやすくなると考えられます。株安や原油安が進む場合、カナダドル/円は上値が重くなる可能性があります(株安は円高材料、原油安はカナダドル安材料のため)。
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