今週のポイント
BOC(カナダ中銀)は13日の政策会合で1.00%の利上げを行うことを決定し、今後も利上げを続ける意向を表明しました。市場の金融政策見通しを反映するOIS(翌日物金利スワップ)によると、市場ではBOCは次回9月7日の会合で0.50%利上げし、政策金利は22年末までに3.50%へと上昇するとの見方が有力です(現在の政策金利は2.50%)。
カナダの6月CPI(消費者物価指数)が20日に発表されます。CPIが市場予想の前年比8.4%を上回る結果になれば、BOCの利上げ観測は一段と強まり、カナダドル高材料になりそうです。日銀は21日の会合で金融政策の現状維持を決定し、かつ今後も大規模な金融緩和策を続ける姿勢を示すとみられることから、カナダドルは対円で上昇しやすいと考えられます。
RBA(豪中銀)議事録が19日に公表されます。0.50%利上げすることを決定した7月5日のRBA会合の議事録です。議事録で今後の利上げペースについて新たなヒントが示されれば、豪ドルが反応する可能性があります。
21日には、TCMB(トルコ中銀)やSARB(南アフリカ中銀)の政策会合が開かれます。TCMBは政策金利を据え置くとみられる一方、SARBは0.50%利上げすることを決定しそうです。
トルコリラについては、インフレが加速しているにもかかわらず(トルコの6月CPI上昇率は前年比78.62%)、TCMBが利上げしないことが重石となっています。TCMBが政策金利を据え置けば、トルコリラに対して下押し圧力が加わりやすい状況は続く可能性があります。
SARBが21日の会合で0.50%利上げした場合には、SARBの声明やクガニャゴ総裁の会見で今後さらに利上げする可能性が示されるかどうかに注目です。総裁会見などで追加利上げが示唆されれば、南アフリカランドの支援材料になりそうです。
今週の注目通貨ペア(1):<豪ドル/NZドル 予想レンジ:1.09000NZドル~1.11000NZドル>
豪ドル/NZドルは、5月以降2カ月半にわたっておおむね1.09NZドル~1.11NZドルのレンジで上下動を繰り返しており、目先の方向感を失っている感があります。
豪州の6月雇用統計(17日発表)は、失業率が3.5%、雇用者数は前月比8.84万人増と、市場予想(3.8%、3.00万人増)よりも良好な結果でした。一方で、NZの4-6月期CPIは前年比7.3%と、上昇率は市場予想(7.1%)以上に1-3月期の6.9%から加速し、90年4-6月期以来、32年ぶりの高い伸びを記録。CPIの結果を受け、市場ではRBNZ(NZ中銀)の利上げ観測が強まるとみられます。
豪ドルとNZドルには、いずれもプラス材料があります。このことを考えると、豪ドル/NZドルは引き続き1.09NZドル~1.11NZドルのレンジで上下動を続けそうです。
今週の注目通貨ペア(2):<メキシコペソ/円 予想レンジ:6.500円~6.900円>
メキシコの7月前半のCPIが22日に発表されます。CPIの市場予想は、総合指数が前年比8.10%、変動の大きいエネルギーや食品を除いたコア指数は同7.54%と、上昇率はいずれも前月(7.88%、7.47%)から加速するとみられています。
BOM(メキシコ中銀)は前回6月23日の政策会合で0.75%の利上げを行いました(現在の政策金利は7.75%)。7月前半のCPIが市場予想を上回る結果になれば、次回8月11日のBOM(メキシコ中銀)会合でも大幅な利上げを行うとの観測が市場で強まる可能性があります。利上げ観測が強まる場合、メキシコペソ/円は堅調に推移しそうです。
一方で、原油価格や主要国株価の動向には注意が必要かもしれません。米FRBが積極的に利上げを行うとの観測から原油価格や主要国株価には下押し圧力が加わりやすいと考えられます。原油安はメキシコペソ安材料であり、株安は円高材料であるため、原油価格や主要国株価が下落を続ける場合には、メキシコのCPIが強い結果になったとしても、メキシコペソ/円は上値が重くなる可能性があります。
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