■ディア・ライフ<3245>の中長期の成長戦略
1. 獲得競争の激しい都心の優良物件に積極投資
リアルエステート事業の投資戦略としては、
1) コロナ禍でも賃貸需要・流通性・希少性の高い都心不動産の深堀・厳選投資を推進
2) 1件当たりのプロジェクト規模の拡大による、効率の高い営業スタイルを強化
3) 採用強化、アイディとの連携による物件情報の量・入手ルートの継続的拡充
4) 社内建築士機能の強化や協力会社との協働による、迅速かつ柔軟な事業企画を追求
の4点である。投資エリアに関しては、これまでの戦略どおり東京圏に厳選して都市型マンションや収益不動産等の不動産開発・投資事業規模の拡大を継続する。特に投資を注力するのは、市ヶ谷・飯田橋・神楽坂をはじめとする「職・食・住」の利便性が良好なエリアで、具体的には新宿区を中心とした周辺エリアである。重点エリアが絞り込まれていることは、開発用地の仕入れにおいて仲介業者などから声が掛かりやすく、企業ブランドとしてもアドバンテージになる。直近では、以前よりも更に駅に近い、利便性の高い物件を厳選している。「1件当たりのプロジェクト規模の拡大による、効率の高い営業スタイルを強化」は新たに加わった戦略である。実際に2022年9月期上半期の仕入れの中では10億円以上の物件が15件含まれる。都心の物件取得の競争は激しいため、人員採用の強化、子会社アイディグループとの連携などあらゆる手段により、物件情報の量・入手ルートの拡充を行う。実際にアイディグループの得意エリアである、品川区・大田区の仕入れ物件も増加している。
2022年9月期第2四半期の段階で販売用不動産が11,577百万円、仕掛販売用不動産が13,736百万円、合計25,313百万円(前年同期末は16,146百万円)あり、前年同期を大幅に上回り、過去最高水準である。2014年9月期から過去8年間の第2四半期時点での販売用不動産金額(仕掛含む)は、その年の通期の経常利益額と連動する傾向にあり、進行期の通期決算も期待ができる。
2. 同社グループの成長と新事業育成
同社の強みのなかには、新しい事業を大きく育てる組織能力がある。その一例がパルマである。2009年に経営に課題を抱えていたパルマを子会社化し、2015年には東証マザーズに上場するまでに成長させた実績がある(現在は非連結)。
DLX-HDが行うセールスプロモーション事業は次世代に大きく羽ばたく事業の有力候補である。主力の保険業界向け非対面型のアウトバウンド向けコールセンター業務は、昨今のコロナ禍も追い風となり需要が急速に伸びている。同社では、「ITを活用した非対面マーケティングの拡大」「事業領域の拡大」を基本戦略としている。不動産業界及び金融・保険業界のなかだけでも大きな成長余地があるが、さらに他業界にも挑戦する計画である。今期は、需要の拡大に対応するために、派遣人員拡大に向けたオフィス増床や派遣スタッフの初期教育などに先行投資も行っている。2022年9月期上期には売上高で20億円を超える実績を残しており、通期で40億円前後の事業体に成長することになろう。将来的にはパルマ同様に上場も視野に入る。2022年9月期から子会社されたアイディグループも、ディア・ライフグループでの飛躍が期待される。既に約60億円の事業体であり、同じ不動産業界とはいえ、様々な持ち味がある。特長の1つは傘下のアイディプロパティで行う不動産管理事業である。既に1,300戸以上の管理を行っており、ストック型の安定収益を稼ぐ有力なビジネスモデルである。今後、グループ内での相乗効果による成長が期待される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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1. 獲得競争の激しい都心の優良物件に積極投資
リアルエステート事業の投資戦略としては、
1) コロナ禍でも賃貸需要・流通性・希少性の高い都心不動産の深堀・厳選投資を推進
2) 1件当たりのプロジェクト規模の拡大による、効率の高い営業スタイルを強化
3) 採用強化、アイディとの連携による物件情報の量・入手ルートの継続的拡充
4) 社内建築士機能の強化や協力会社との協働による、迅速かつ柔軟な事業企画を追求
の4点である。投資エリアに関しては、これまでの戦略どおり東京圏に厳選して都市型マンションや収益不動産等の不動産開発・投資事業規模の拡大を継続する。特に投資を注力するのは、市ヶ谷・飯田橋・神楽坂をはじめとする「職・食・住」の利便性が良好なエリアで、具体的には新宿区を中心とした周辺エリアである。重点エリアが絞り込まれていることは、開発用地の仕入れにおいて仲介業者などから声が掛かりやすく、企業ブランドとしてもアドバンテージになる。直近では、以前よりも更に駅に近い、利便性の高い物件を厳選している。「1件当たりのプロジェクト規模の拡大による、効率の高い営業スタイルを強化」は新たに加わった戦略である。実際に2022年9月期上半期の仕入れの中では10億円以上の物件が15件含まれる。都心の物件取得の競争は激しいため、人員採用の強化、子会社アイディグループとの連携などあらゆる手段により、物件情報の量・入手ルートの拡充を行う。実際にアイディグループの得意エリアである、品川区・大田区の仕入れ物件も増加している。
2022年9月期第2四半期の段階で販売用不動産が11,577百万円、仕掛販売用不動産が13,736百万円、合計25,313百万円(前年同期末は16,146百万円)あり、前年同期を大幅に上回り、過去最高水準である。2014年9月期から過去8年間の第2四半期時点での販売用不動産金額(仕掛含む)は、その年の通期の経常利益額と連動する傾向にあり、進行期の通期決算も期待ができる。
2. 同社グループの成長と新事業育成
同社の強みのなかには、新しい事業を大きく育てる組織能力がある。その一例がパルマである。2009年に経営に課題を抱えていたパルマを子会社化し、2015年には東証マザーズに上場するまでに成長させた実績がある(現在は非連結)。
DLX-HDが行うセールスプロモーション事業は次世代に大きく羽ばたく事業の有力候補である。主力の保険業界向け非対面型のアウトバウンド向けコールセンター業務は、昨今のコロナ禍も追い風となり需要が急速に伸びている。同社では、「ITを活用した非対面マーケティングの拡大」「事業領域の拡大」を基本戦略としている。不動産業界及び金融・保険業界のなかだけでも大きな成長余地があるが、さらに他業界にも挑戦する計画である。今期は、需要の拡大に対応するために、派遣人員拡大に向けたオフィス増床や派遣スタッフの初期教育などに先行投資も行っている。2022年9月期上期には売上高で20億円を超える実績を残しており、通期で40億円前後の事業体に成長することになろう。将来的にはパルマ同様に上場も視野に入る。2022年9月期から子会社されたアイディグループも、ディア・ライフグループでの飛躍が期待される。既に約60億円の事業体であり、同じ不動産業界とはいえ、様々な持ち味がある。特長の1つは傘下のアイディプロパティで行う不動産管理事業である。既に1,300戸以上の管理を行っており、ストック型の安定収益を稼ぐ有力なビジネスモデルである。今後、グループ内での相乗効果による成長が期待される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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