ポート Research Memo(1):就職領域が業績を牽引し、売上収益は前期比で大幅成長

配信元:フィスコ
投稿:2022/06/09 16:21
■要約

ポート<7047>はインターネットメディアを複数運営している。メディアのジャンルは多岐にわたるが、「就職領域」「リフォーム領域」「カードローン領域」、そして2021年11月に本格参入した「エネルギー領域」の4つのサービス領域を主力としつつ、既存事業とのシナジーも期待できる新規領域として、自治体向けや医療系などのメディアの研究・開発も開始した。

1. 業績動向
2022年3月期の連結業績は、売上収益が6,994百万円(前期比49.2%増)、EBITDA※1が810百万円(同178.8%増)、調整後EBITDAが1,604百万円(同55.6%増※2)、営業利益が599百万円(同465.0%増)、税引前当期利益が564百万円(同253.6%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益が332百万円(同107.3%増)となった※3。売上収益は業績予想をわずかに下回ったものの、就職領域の業績牽引やエネルギー領域における(株)INE(以下、INE)との連結により、大幅な成長を実現した。2022年3月期においても大規模投資を継続していたが、大幅な増収と各領域のマーケティング効率化の影響により、EBITDA以下の利益指標は大幅な伸び率となった。また、EBITDA・営業利益・税引前当期利益は期中に上方修正した利益予想レンジ内での着地を達成。当期利益に関しては、INEの非支配株主に帰属する当期利益の控除により予想レンジを下回る結果となった。

※1 EBITDA=営業利益+減価償却費+株式報酬費用
※2 調整後EBITDA=EBITDA+アカウント投資+コンテンツ投資+システム投資
※3 2022年3月期第1四半期よりIFRSへ移行しており、前年同期間におけるIFRS基準の数値との比較による参考値。


2. 2023年3月期業績の見通し
2023年3月期については深刻な外部環境の状況を勘案し各領域の計画を保守的に再精査した。その結果、売上収益は9,300百万円(前期比33.0%増)、EBITDAは1,500百万円(同85.1%増)、営業利益は1,200百万円(同100.1%増)、税引前当期利益が1,100百万円(同94.7%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益が700百万円(同110.5%増)としている。ウクライナ情勢等に起因する資源価格高騰等の電力会社各社への影響、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の長期化による就職領域・カードローン領域への影響、リフォーム領域のM&A後に策定した計画との乖離などが主な修正要因である。業績計画の修正を行ったものの、目標はあくまでも当初計画の売上収益100億円、EBITDA20億円の達成であり、創業時からの連続増収の実績を鑑みれば、計画の実現可能性は高いものと弊社では見ている。

3. 中長期成長戦略
同社はこれまで離職率や過疎化、生活習慣病などの社会課題に対してサービス開発を行ってきたが、より大きな社会課題を解決していくためには「ユーザー基盤」「投資資本」「顧客基盤」の3つのアセットが必要であると考え、ユーザーにノウハウが蓄積されづらい非日常領域のマッチングDXに基づいた取り組みをベースとした3ヶ年中期経営計画(2021年3月期~2023年3月期)を策定している。中長期の業績成長を実現するために同社は、(1) マッチングDXの拡大、(2) 会員基盤を活用したクロスセル、(3) サプライチェーン最適化、の3つの成長戦略を推進していく。そのために、M&Aも積極的に検討する方針だ。同社のビジネスモデルはマッチングプラットフォームを軸としており、マッチング総数(会員数、顧客数及びそれぞれの総量)の増加が売上収益成長のキードライバーとなる。マッチング最大化による高い売上収益成長を実現するために、同社では「コンテンツ投資(会員数拡大)」「アカウント投資(顧客数拡大)」「システム投資(マッチング数拡大)」への積極投資を行っている。2022年3月期累計では、コンテンツ投資144百万円、アカウント投資124百万円、マッチングシステム投資525百万円を実行しており、引き続き事業拡大に向けた投資を継続する方針である。2023年3月期は中期経営計画の最終年度であるが、マーケティングの効率化・成約率の向上により当初計画である売上収益100億円、EBITDA20億円の達成を目指す。また、今後も売上収益CAGR30%以上の成長を目標としている。

■Key Points
・「世界中に、アタリマエとシアワセを。」をコーポレート・ミッションに、インターネットメディア事業を展開
・2022年3月期業績は就職領域が業績を牽引、売上収益は前期比49.2%増と大幅に成長
・2023年3月期の見通しは深刻な外部環境を勘案し計画を修正、実現可能性は非常に高い
・中期経営計画の最終年度である2023年3月期は、計画を保守的に修正しているもののマーケティングの効率化・成約率の向上により当初計画である売上収益100億円、EBITDA20億円の達成を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 欠田耀介)


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