いよいよ「日米金融当局の立ち位置の違い」へ回帰…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2022/06/01 11:07

◆ “金利選好→ドル買い”復活 - 128円後半


ウォラーFRB理事のタカ派発言を背景に、休み明けのNY勢は“債券売り(利回りは上昇)”で反応しました。
このため米10年債利回りは“2.88%”へ上昇し、ドル円は“128.883円”へと上値を伸ばしています。

◆ 逆に“リスク選好→円売り”は緩みがち…?


一方で「利上げペース鈍化」への思惑は後退しつつあり、急反発してきた米株式には“逆風”が吹き始めています。
この影響もあって昨日の米主要3指数は“軒並み反落”しており、“リスク選好→円売り”も緩みがちといえます。

それでも「米インフレ・ピークアウト」への思惑が後退した影響は大きく、再び「日米金融当局の立ち位置の違い」へとテーマが移行しても不思議ではありません。
特に本日は“月替わり”になりますので、月末要因としての“ドル売り”も剥落すると見るのが自然ということになります。

◆ まだ“結果を確認したい(様子見)”が残っているが…!?


もちろん「日米金融当局の立ち位置の違い」に関して、マーケットは“織り込み済”であるだけに、どこまで反応するかは微妙です。
また本日は「ISM製造業景況指数」も予定されていますので、週末に向けて“結果を確認したい(様子見)”となってもおかしくないところもあります。
それでも“ドル売り”の流れが一変したのは事実…。

見方を誤ったばかりでもあり、“過度な上値期待”は禁物とは考えます。
それでも“ポジション調整”が終了し、いよいよ“上値追い”へと回帰し出したのかもしれません。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン


上値5:129.540(5/18高値)
上値4:129.438(5/9~5/24の61.8%戻し)
上値3:129.220(ピボット1stレジスタンス)
上値2:129.000(大台、5/19高値)
上値1:128.883(5/31高値、日足・一目均衡表基準線、5/9~5/24の50%戻し水準)
前営業日終値:128.702(20日移動平均線)
下値1:128.459(5/31NYタイム安値《5/31高値後の押し目》)
下値2:128.286(5/24~5/31の23.6%押し、5/31欧州タイム安値後の50%押し)
下値3:128.131(5/31欧州タイム安値後の61.8%押し)
下値4:128.000(大台)
下値5:127.917(5/24~5/31の38.2%押し)

《10:20》

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想