「些細な要因で急変動」を意識すべき…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2022/05/27 11:09

◆ “乱高下”も“レンジ内”変わらず…


『円滑な出口戦略は十分可能』との黒田日銀総裁発言をキッカケに、昨日は欧州タイムにかけて“円買い”が進行しました。
一方で株高を意識した“リスク回避の巻き戻し”がその後は優勢となり、NYタイム中盤には“円売り”が先行しています。
こうして前日のNYタイムからは“127.577円→126.540円→127.423円”と乱高下を見せているドル円は、最終的には“127円ライン(終値は127.066円)”へと押し戻されて、昨日の取引を終えています。

◆ 「方向感定まらず」も変わらない…


「方向感定まらず」を地で往く展開ですが、さらに本日は「米3連休(30日はメモリアルデー)を控えた週末」となります。
このため“流動性低下”が懸念されていますが、そうした中で本日はインフレ動向を占う上で米FRBが最重要視している「米PCEコア・デフレータ」が予定されています。
景気減速を示唆する米経済指標が相次いでいますので、ここも想定通りの“伸び鈍化(前年比+4.9%)”が示されれば、“金利選好→ドル買い”がさらに巻き戻される可能性は否めません。
ただしその際は“リスク選好→円売り”が進行する可能性が残りますので、その反応次第では“下値がしっかり”が目立つ可能性も…?

◆ ただ「実需絡みのフロー」には注意を…!?


「スポット取引の月末最終応当日」に当たるだけに、「実需絡みのフロー」には十分に注意しておく必要があります。
しかしそれを除けば、本日のポイントはやはり“流動性低下”です。
そして「すでに休暇入り」というマーケット関係者が少なくないと聞き及ぶ以上、想定以上に“流動性低下”となるケースを懸念せざるを得ないところです。
「方向感定まらず」はまだ続くと考えますが、その前に本日は「些細な要因で急変動」を意識すべきかもしれませんね。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン


上値5:128.074(5/24高値、日足・一目均衡表転換線、5/17~5/24の50%戻し、ピボット2ndレジスタンス)
上値4:128.000(大台)
上値3:127.660(5/17~5/24の38.2%戻し、-1σ)
上値2:127.577(5/26高値、ピボット1stレジスタンス)
上値1:127.423(5/26NYタイム高値(5/26安値後の戻り高値)
前営業日終値:127.066(大台)
下値1:126.877(5/26安値後の61.8%押し)
下値2:126.748(5/26安値後の76.4%押し)
下値3:126.540(5/26安値、50日移動平均線、ピボット1stサポート)
下値4:126.355(5/24安値、-2σ)
下値5:126.238(4/18安値、3/31~4/28の50%押し)

《10:35》

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想