【IRアナリストレポート】カーブスホールディングス(7085)

著者:鈴木 行生
投稿:2022/05/10 17:05

~女性専用からオンライン・ハイブリッドやメンズへ新たなサービスを展開~

【ポイント】
・会員数の回復が順調に進んでいる。コロナ前の会員数は86.4万人がピークであったが、2020年8月末は60.0万人まで落ち込んだ。前2021年8月末は69.3万人へ好転し、今期は79.8万人への回復を目指しており、達成できそうな展開をみせている。

・そのためのマーケティングに先行投資しており、従来の65歳以上向けとは別に、50~64歳に向けて新たな方策を打っている。コンテンツは自社で開発しており、ノウハウが蓄積されつつある。

・新型コロナ禍はほぼ乗り切った。前2021年8月期の2Q以降は黒字を確保してきた。緊急事態宣言下でも、カーブスへの直接的な休業や時短要請はなかったので、回復は早かった。現在は、ポストコロナに向けた戦略遂行で、次の成長に備えようとしている。

・オンラインの「おうちでカーブス」は2020年9月から開始した。2月末のオンライン会員は1.9万人となった。店舗会員とリモート会員の双方を利用するダブル会員を増やす戦略で、会員増と高付加価値化を進める。

・また、メンズ・カーブスは、昨年12月に岡山県で「メンズ・カーブスイオン津山」、2022年1月に静岡県で「メンズ・カーブス浜松入野」がオープンし、2月末で9店となった。女性向けの立地と連携しているので、立ち上げは順調である。3月には東北大学のキャンパス内に出店し、スマート・エイジングの共同研究も開始した。

・今期の営業利益計画は25億円(前期比54%増)で、配当も7円(前期5円)に引き上げる予定である。新規会員の獲得が成果を上げてくるので、来期には90万人への拡大が見込めよう。業績の回復テンポも一段と上がってこよう。

・店舗とリモートのハイブリッド型ビジネスモデルに、メンズを加えて、国内の会員数135万人をめざす。売上高営業利益率もコロナ前の水準に戻す方針で、いずれ視野に入ってこよう。パイはかなり大きくなるので、中長期的な成長は十分期待できる。会員数と業績の回復ピッチに注目したい。

目次
1.特色 女性専用フィットネスがキャッシュカウ
2.強み 米国カーブス総本部の買収後、スピンオフで分離独立
3.中期経営方針 オンラインサービスを開始し、ハイブリットのビジネスモデルへ
4.当面の業績 コロナショックを克服し、本格回復へ
5.企業評価 新たな会員の獲得に向けて

カーブスホールディングス <7085>
企業レーティング
株価
(2022年5月10日)
672円
時価総額 631億円
(93.857百万株)
PBR 6.76倍
ROE 20.2%
PER 33.4倍
配当利回り 1.0%
総資産 34559百万円
純資産 9153百万円
自己資本比率 26.5%
BPS 99.4円
(百万円、円)
決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益 EPS 配当
2018.8 27937 5095 5293 3488 37.4 32.0
2019.8 28036 5436 5242 3706 39.5 31.8
2020.8 25082 1167 1165 764 8.7 5.0
2021.8 24681 1622 1716 1129 12.0 5.0
2022.8(予) 27000 2700 2850 1850 20.1 7.0
2023.8(予) 30000 4100 4000 2600 28.2 13.0

(2022.2ベース)

(注)ROE、PER、配当利回りは直近予想ベース。2020年2月末にコシダカHDよりスピンオフし、3月2日に上場。2019.8期以前のEPS、配当は修正ベース。2020.8期の配当は、上場記念配2.0円を含む。
 
企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。

レポート全文はこちらから
https://www.belletk.com/ka-busu202205.pdf
 

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配信元: みんかぶ株式コラム

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