少なくとも“下値は限定的”…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2022/04/22 11:18

◆ “巻き戻し”先行 - 一時“128円後半”


 『5月FOMCで0.50%利上げを検討(パウエルFRB議長)』

「米金融正常化加速」への思惑から、やはり昨日は“巻き戻し”が先行しました。
一方で「日銀指値オペ」が連日行われており、「日米金融当局の立ち位置の違い」も鮮明化しています。
このため「日米金利格差拡大」をテーマとする流れは変わっておらず、ドル円は“128.702円”へと切り返していきました。

◆ ただ実際のところは“膠着”…?


もっとも短期金融市場では「5月/6月/7月と3回連続の0.50%利上げ」をすでに織り込んでいるだけに、前日に記録した“129.401円”を窺う展開には発展しておりません。
このため“堅調推移”ではあるが“上値の重さ”も目立っており、どちらかといえば“膠着”の意識が高まりつつあるのが実状といえます。

いわゆる“織り込み済”“材料出尽くし”の状況であるだけに、こうなってしまうと“さらなる上値追い”にはかなりの困難が伴うと見るのが自然ということになります。
特に本日は週末に当たり、また「ウクライナ情勢」「フランス大統領選」という不透明要素も抱えていますので、「新規ポジションの構築は手控えられやすい」と見るのが妥当な状況でもあります。

◆ 本日は“逆の展開”が想定されるが…!?


そうなると本日は「ポジション調整(ドル売り・円買い)が入りやすい」という展開を想定せざるを得ませんが、一方で「それ以外の動きは入りづらい」と見ることは可能ということになります。

「米金融正常化加速」「日米金利格差拡大」、そして「日米金融当局の立ち位置の違い」…。
“上値の重さ”を意識しながらも、“下値の堅さ”が如実に表れるといった展開を、本日は想定したいところです。
そして少なくとも“下値は限定的”と見つつ、「週跨ぎのポジション保持の有無」を見極めにかかりたいところです。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン


上値5:129.401(4/20高値)
上値4:129.197(ピボット2ndレジスタンス)
上値3:128.946(4/20高値後の76.4%戻し、大台)
上値2:128.779(ピボット1stレジスタンス)
上値1:128.702(4/21高値、4/20高値後の61.8%戻し水準)
前営業日終値:128.361
下値1:128.087(4/20~4/21の50%押し)
下値2:127.941(4/20~4/21の61.8%押し、大台)
下値3:127.866(ピボット1stサポート)
下値4:127.789(4/21安値、4/20~4/21の76.2%押し)
下値5:127.471(4/20安値)

《10:50》

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想