「円売りのタガ」が外れた…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2022/04/14 11:37

◆ 一気に突破 - 黒田シーリング


一旦“膠着”と見た昨日でしたが、一気に往った…。

「新たな材料」が跳び出したというわけではありませんが、昨日も「米10年債利回り上昇」は“ドル買い”を誘いました。
また「原油反発」の動きも、“貿易赤字悪化→円売り”の思惑を誘った面が否めないところです。
さらに『強力な緩和策を粘り強く続ける』との黒田日銀総裁発言も、「日米金利格差」をテーマとしてあり続けいます。

いずれも“織り込み済”の材料ばかりですが、これに昨日は“仕掛け的な動き”が加わりました。
前日の米CPI後に“一旦押した(124.742円)”ことから、「短期筋のドル買い余力」が増したと見られるからです。
こうして“黒田シーリング(15/6/5高値:125.843円)”を突破すると、“ストップロス”を絡めながら、そのまま“126.312円”まで一気に駆け上がっていきました。
その後は“125.362円”へと値を落とす場面も見せていますが、“下値の堅さ”が如実に表れる動きといえそうです。

◆ スケジュール感からは“高値達成感”の台頭もあるが…?


「過度の米インフレ懸念」は和らぎつつありますので、「年内の米利上げ幅(特に残6回の内、何回が0.50%利上げ?)」等に関しては不透明になりつつあります。
一方で「日米金融当局の立ち位置の違い」は抗いようがない事実ですので、金利面を背景とした“ドル買い・円売り”は残ると見るのが妥当です。
特に“黒田シーリング”を突破したことで、テクニカル的には「円売りの歯止めがなくなった」という印象は拭えないものがあります。

「イースター休暇(15日~)」を控えたスケジュール感を考えれば、“一旦の高値達成感”が浮上してもおかしくありません。
しかしこと金利面に限定すれば、“ドル買い”“円売り”に傾けたまま休暇入りしても「大きなリスクは発生しづらい」と見るのが妥当…?

“利益確定売り(ポジション調整)”は入って然るべしとは考えますが、このまま“さらなる上値追い”となっても不思議ではないという点は、頭の片隅に残しておきたいところです。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン


上値5:126.879(+2σ)
上値4:126.771(ピボット2ndレジスタンス)
上値3:126.312(4/13高値)
上値2:126.215(ピボット1stレジスタンス)
上値1:126.000(大台)
前営業日終値:125.659
下値1:125.297(4/13安値、3/12~3/16の61.8%押し水準)
下値2:125.200(ピボット1stサポート)
下値3:125.000(大台)
下値4:124.742(4/12安値、+1σ、ピボット2ndサポート)
下値5:124.387(3/31~4/13の38.2%押し)


《10:25》

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想