一旦“膠着”へ…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2022/04/13 11:09

◆ 突破には至らず - 黒田シーリング


注目の米3月CPIは“81年12月以来の伸び(+8.5%)”を記録したものの、価格変動の激しい項目を除くコアが“前月および予想を下回る(+6.5%)”結果となりました。
事前に織り込まれていたこともあり、マーケットはより後者に注目する格好となり、発表後は“利益確定売り”が目立ちました。
こうして米10年債利回りが“低下(2.83%→2.67%)”する中、ドル円は“押し戻されて(125.754円→124.742円)”いきました。

もっともブレイナードFRB理事は再び『インフレ抑制は最優先事項』と述べるなど、依然として「日米金利格差」はマーケットテーマであり続けています。
このため“124円台”での推移は一時的に留まり、その後はすぐさま“125円台”に持ち直して、昨日の取引を終えています。

◆ ただマーケットテーマであり続ける以上…? - 日米金利格差


こうして「黒田シーリング越え」は失敗した格好となり、昨日の米CPIにて「材料出尽くし」との印象も否めないところがあります。
そうなると“上値の重さ”が先行し、“もう一段の下値追い(利益確定売り)”が台頭しても何ら不思議ではないということになります。
それでもマーケットテーマであり続けている以上、「日米金融当局の立ち位置の違い」に変化がなければ…?

◆ 材料視はされづらいと見るのが自然…!? - 米PPI


本日も米PPIが予定されますが、注目の米CPIを終えたばかりですので、“余程のサプライズ”でもなければ「材料視されない」と見るのが妥当です。
一方で「日米金利格差」への思惑が崩れない以上、“下値の堅さ”を覆すのは容易ではありません。

まだ「黒田シーリング越え」を窺う攻防戦が終わったわけではありませんが、本日に関しては“膠着(様子見)”と見るのが、やはり妥当なのかもしれませんね。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン


上値5:126.210(02/5/20高値)
上値4:126.080(02/5/21高値、大台)
上値3:125.843(15/6/5高値、ピボット1stレジスタンス)
上値2:125.759(4/11-12高値)
上値1:125.515(4/12高値後の76.4%戻し)
前営業日終値:125.398
下値1:125.084(4/12安値後の61.8%押し)
下値2:124.953(4/12安値後の76.4%押し、大台)
下値3:124.842(ピボット1stサポート)
下値4:124.742(4/12安値)
下値5:124.525(+1σ)

《09:40》

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想