こうなると「日米金融当局の立ち位置の違い」が…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2022/04/04 10:52

◆ 無難に通過 - 米雇用統計


注目の米雇用統計は「非農業部門雇用者数(+43.1万人)」が予想を下回ったものの、「失業率(3.6%)」「平均時給(前年比+5.6%)」は上回りました。
このため「米5月0.50%利上げ」を追認する思惑が強まり、米10年債利回りが“2.45%”に上昇する中で、ドル円は“123.038円”へと反発しました。
一方で米2年債利回りは“19年3月以来の2.47%”へ上昇する中、いわゆる「逆イールド」が継続したこともあって、米景気後退入りとの懸念から上値を押さえられて、先週末の取引を終えています。

◆ “上値追い”に慎重姿勢があるのは事実だが…?


米雇用統計がしっかりとした数字となったことで、「米大幅利上げ期待」は意識されやすいと見られます。
一方で「指値オペ」は一旦終了したものの、『4-6月期の国債買入オペ増額』を日銀は発表しています。
このため「日米金融当局の立ち位置の違い」、そこから派生する「日米金利格差」に目が向かいやすいと見るのが自然です。
そうなると“ドル買い+円売り”への安心感は、相応の水準で維持されると見るのが妥当ということになります。

依然として「ウクライナ情勢」が不透明ですので、“上値追い”に関しては慎重姿勢があるのは事実です。
それでも“下値の堅さ”を想定しつつ、少なくとも“崩れない”を前提としながら、次なる材料の出現を待ちたいところです。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン


上値5:123.806(3/29欧州タイム高値、ピボット2ndレジスタンス)
上値4:123.627(3/28~3/31の61.8%戻し)
上値3:123.204(3/30高値、3/28~3/31の50%戻し、ピボット1stレジスタンス)
上値2:123.038(4/1高値、大台)
上値1:122.837(日足・一目均衡表転換線)
前営業日終値:122.511
下値1:122.364(3/31~4/1の38.2%押し、+1σ)
下値2:122.156(3/31~4/1の50%押し)
下値3:121.947(3/31~4/1の61.8%押し、大台)
下値4:121.720(ピボット1stサポート)
下値5:121.589(4/1安値)

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想