運用中の蓄電システムに対する劣化診断技術の適用を開始

配信元:PR TIMES
投稿:2022/03/28 20:20
東京ガス株式会社(社長:内田 高史、以下「東京ガス」)は、業務・産業用蓄電システムのTPOモデル(*1)ビジネスで、お客さま先に設置・運用する蓄電システムの安全性・信頼性をより強固なものにするために、運用中の蓄電システムの内部状態を遠隔で解析する技術の適用を開始しました。


脱炭素社会の実現に向け、再生可能エネルギー普及を促進させるデバイスとして、蓄電システムへの期待が高まる一方、海外では運用中の蓄電システムに関するトラブル事例の報告もあり、運転状態の管理には細心の注意が必要です。

東京ガスは、当社で保有する蓄電システムをお客さま先に設置・運用しお客さまへサービスを提供する、いわゆるTPOモデルのビジネスを展開しています。お客さま先に設置する蓄電システムの運用中の安全性を重要視し、蓄電システムから定期的に取得する運転データの解析によって内部状態を評価できる充電曲線解析法(Charging Curve Analysis, CCA)*2)を蓄電システムのTPOモデルビジネスを展開する事業者として初めて採用しました。

充電曲線解析法による運用中の蓄電システムの安全評価は経済産業省の国際標準開発事業(*3)にて実証されており、リユース電池の安全性の認証(*4)においても電池非破壊評価手法として適用されています。充電曲線解析法は、初期満充電状態を基準とした蓄電容量の劣化状態(*5)のみならず、電極の劣化状態も推定可能なため、劣化した蓄電システムの状態を踏まえた予防的メンテナンスによる、安全性・信頼性の維持に活用できます。


今回、当社がPPA(*6)事業者に選定され、今月より運用を開始している「横浜市立の小中学校に再生可能エネルギーを導入する事業」で使用する蓄電システムの一部に、この技術を導入しました。今後順次対象機体数を増やしていく予定です。

東京ガスは、グループ経営ビジョン「Compass2030」で東京ガスグループの事業活動全体での「CO2ネット・ゼロ」および「価値共創のエコシステム構築」を掲げています。本技術を通じて安全な蓄電システムの導入拡大に努め、政府が掲げる「2050年カーボンニュートラル」に貢献するともに、さまざまなパートナーと協業しながら、今後も太陽光発電や蓄電システムなどの分散型エネルギーリソースを活用したビジネスを推進してまいります。

*1:「第三者保有モデル」(Third-party Ownership:TPO)と呼ばれるもので、一般的に事業者が設備を所有し、設置先のお客さまへ設備を活用したサービスを行う形態です。
*2:”充電曲線解析法を用いた組電池のセルバランス・劣化状態ばらつきの推定”, 電気化学2021 年 89 巻 2 号 p. 101-106
(https://www.jstage.jst.go.jp/article/denkikagaku/89/2/89_21-FE0011/_article/-char/ja)
*3:経済産業省 第2回 定置用蓄電システム普及拡大検討会 資料5-3
(https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/storage_system/002.html)
*4:JETリユース電池認証 (https://www.jet.or.jp/products/reuse_battery/index.html)
*5:SOH(State of Health)とも呼ばれる蓄電池劣化状態の一つの指標です。
*6:再生可能エネルギー由来の電気を購入したいお客さまと、太陽光発電事業者とが結ぶ電力購入契約(Power Purchase Agreement : PPA)を指します。この契約を元にお客さまに発電した電気を供給する事業をPPA事業、供給する事業者をPPA事業者と呼びます。
配信元: PR TIMES

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