【IRアナリストレポート】ピーシーデポコーポレーション(7618)

著者:鈴木 行生
投稿:2022/03/08 18:00

~プレミアム会員を軸としたサブスク型ビジネスモデルへ一新~

【ポイント】
・3Q(10~12月)のプレミアム会員の純増は計画を上回った。4Qはオミクロンの影響で、店舗への会員集客が制約を受けている。コロナ禍が落ち着いてくれば、会員増のピッチはさらに上がってこよう。そのための準備も進んでいる。

・デジタル生活に関する情報発信とコミュニケーションの拠点となる「横濱Key Station」は今年4月から本格開始となろう。新本社に併設する施設で、新たな価値創造のステーションとなる。プレミアム会員家族とのネットワーク作りに向け、リアルなプレイスに来てもらったり、スタジオから会員向けネット放送を実施したりすることで、会員獲得とインサイドセールスの拡大を図っていく。

・2月にスタートした新本社のワークプレイスも画期的で、最先端のアイディアを盛り込んでいる。2022年3月期の投資額は45億円に拡大する。店舗のリノベーションに加えて、本社移転を契機としたKey Stationの設備、軽井沢でのワーケーション施設の取得などに投資しているが、来期は通常の投資水準(10~15億円)に戻ることになろう。

・昨年5月に独自のサブスクリプションモデルへの完全移行をスタートさせた。すでに10年かけてプレミアム会員中心の事業へシフトしてきた。広義のサブスク会員は昨年3月末で45万人(ARPU3500円)であったが、そのうちデジタル担当が付いているプレミアム会員(NCS)を、同9.7万人(同8053円)から1年後を目途に14万人(同8100円)へ拡大する。そのための人材の増強と広告宣伝に先行投資を継続する。

・今2022年3月期は会員シフトを強化しているので、一般顧客向け商品販売が大きく減少する。先行投資もあって、業績は大幅に落ち込む。これは覚悟のうえである。来期の後半からはNCSの増加で業績の回復が軌道に乗ってこよう。

・既に売上の50%はサブスク型であるが、これを3~5年で80%まで高める計画である。

提案型の需要創出効果が次第に顕在化してこよう。新しいビジネスモデルへの転換は先進的で、世界でもユニークである。新規の加入も増えてくるので、収益性は以前より向上してこよう。つれて株式市場での評価も大きく上昇しよう。

目次
1.新ビジネスモデル 独自のサブスク型へフルモデルチェンジ
2.特色 インターネットデバイスのサービス専門店へ転換
3.強み サービス収入主力の収益構造へシフト
4.今後の展開 メンバー(会員)との結びつきを強化し、関係人口作りへ
5.当面の業績 NCS(ニューカスタマーサクセス)会員の獲得に向け先行投資
6.企業評価 NCSの新規加入増で、攻めの局面へ

ピーシーデポコーポレーション <7618>
企業レーティング
株価
(2022年3月8日)
285円
時価総額 150億円
(52.622百万株)
PBR 0.55倍
ROE 2.3%
PER 23.9倍
配当利回り 4.9%
総資産 39537百万円
純資産 26356百万円
自己資本比率 66.5%
BPS 521.5円
(百万円、円)
決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益 EPS 配当
2014.3 53772 2256 2357 1536 38.0 4.7
2015.3 51261 3045 3162 1914 42.0 6.9
2016.3 51729 4086 4139 2693 56.9 9.6
2017.3 46417 3402 3467 2269 44.1 13.0
2018.3 43590 2981 3079 1958 38.6 13.0
2019.3 40447 2579 2685 1553 30.9 13.0
2020.3 39137 2941 3018 1718 34.2 13.0
2021.3 38312 2893 2935 1854 36.8 13.5
2022.3(予) 33800 1300 1350 600 11.9 14.0
2023.3(予) 35500 1500 1500 850 13.9 14.0
2024.3(予) 38000 2300 2300 1500 29.7 14.0

(2021.12ベース)

(注)ROE、PER、配当利回りは直近予想ベース。2013年10月に1:100、2015年1月に1:1.5、2016年10月に1:1.2の株式分割を実施。それ以前のEPS、配当については修正ベース。
企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。

レポート全文はこちらから
https://www.belletk.com/pcdepo202203.pdf
 

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配信元: みんかぶ株式コラム

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