大きな「往って来い」を想定したい局面…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2022/02/04 10:57

◆ “ポンド・ユーロ買い”も、“ドル売り”にはならず… - “115円手前”


昨日は「英・欧の金融政策」が注目されましたが、結果は前者が“連続利上げ”、そして後者は“タカ派寄り発言”でした。
特に後者の影響度合いは大きく、ユーロは対ドル/対円共に“昨年来の最大上げ幅”を記録しています。
こうして「世界的な利上げ観測」へとつながった動きは“英・欧債利回り上昇”のみならず、“米利回り上昇”をも促しました。
一方で欧・米の株式は下落しており、特に米国ではメタ(旧フェイスブック)の暴落が重荷となり、5日ぶりに反落しています。
このため“リスク回避→円売り”も根強く、ドル円は“115円手前”へと上値を伸ばし、そして本日に入って“115円乗せ”を達成しています。

◆ “ドル売り”発生後の“巻き戻し”が基本シナリオ…? - 米雇用統計


もっとも“ドル買い+円売り”となった割には、ドル円の“上値の重さ”が目立っているのは事実です。
これは国内勢と見られるドル売りが“115.00-20円”に分厚く展開していることもありますが、やはり「米雇用統計」を控えていることが大きく影響していると見るのが自然です。

その「米雇用統計」ですが、事前予想は「非農業部門雇用者数(+15.0万人)/失業率(3.9%)/平均時給(前年比+5.2%)」となっていますので、まずはここからの乖離具合が注目ということになります。

「オミクロン株の感染拡大」を背景に前哨戦(ADP雇用統計)が“大きく悪化(予想+20.7万人→結果△30.1万人)”していますので、「非農業部門雇用者数」は芳しいとはいえなさそうです。
一方で「世界的な利上げ観測」が台頭しつつある中、より注目されるのは「平均時給(雇用インフレ)」といえます。
そうなるとファーストアクションとなりやすい前者にて“ドル売り”が進行したとしても、後者を背景に“巻き戻し”となる可能性はゼロではない…?

後は結果次第ということになりますが、“ドル売り”進行する場面があれば、そこは“買い場”と考えながら、神経質なマーケットと対峙したいところです。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン

※本日は米雇用統計が予定されていますので、いつもより値幅を拡大しています。

116.346(1/4高値)
116.244(1/5高値)
116.182(1/6高値)
116.046(1/7高値、大台)
115.848(1/10高値、ピボットハイブレイクアウト)
上値5:115.682(1/28高値、+2σ)
上値4:115.590(1/31高値)
上値3:115.424(ピボット2ndレジスタンス)
上値2:115.192(2/1高値、+1σ、ピボット1stレジスタンス)
上値1:115.090(1/28~2/2の61.8%戻し)
前営業日終値:114.982(大台)
下値1:114.908(日足・一目均衡表基準線)
下値2:114.674(日足・一目均衡表転換線、2/2~2/3の38.2%押し)
下値3:114.559(2/2~2/3の50%押し、20日移動平均線、週足・一目均衡表転換線、ピボット1stサポート)
下値4:114.458(2/2~2/3の61.8%押し)
下値5:114.323(2/3安値、50日移動平均線)
114.133(2/2安値、日足・一目均衡表先行スパン上限、-1σ、ピボット2ndサポート)
114.023(日足・一目均衡表先行スパン下限、大台)
113.881(ピボットローブレイクアウト)
113.774(1/26安値、100日移動平均線)

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想