ランドコンピュ Research Memo(1):M&Aや業務提携により、高成長のサービスラインを強化

配信元:フィスコ
投稿:2022/01/14 15:11
■要約

ランドコンピュータ<3924>は、2021年1月に創立50周年を迎えた独立系中堅システムインテグレータである。顧客基盤は富士通<6702>を筆頭に、日立グループ、NTTグループ、メーカー系を中心とした大手システムインテグレータと長年にわたり良好な取引関係を維持している。学校法人を設立母体に持つことから、社員教育に熱心なことが特徴となっており、従業員にはIT系だけでなく業務系の資格を取得するよう奨励、1人当たり平均3つ以上の資格を保持している。ITと顧客業務の両方のスキルと知識を有することで、顧客満足度の高いシステム開発を可能にしている。2021年4月には、SAPの統合基幹業務パッケージ(ERP)「SAP R/3」の導入コンサルティング及びアドオンソフト開発に強みを持つ(株)インフリー(infree)を連結子会社化した。

1. 業績動向
2022年3月期第2四半期連結業績は、売上高が前年同期比7.8%増※の4,463百万円、営業利益が同59.3%増の296百万円となった。また、利益率が高いパッケージSI・サービスが好調に推移したことにより、2022年3月期第2四半期の各利益は計画を20%超上回って着地した。

※前年同期比は単体数値と比較した参考値。以下同様。


2022年3月期の連結業績予想については期初予想を据え置き、売上高が9,630百万円、営業利益が755百万円と、売上高及び利益ともに過去最高を予想している。なお、インフリーは期初から連結決算の対象となるが、2022年3月期における単体と連結の業績予想の差異は売上高の300百万円のみで、利益面については買収に伴うのれんの償却費が利益とほぼ同額になると試算している。ただし、2022年3月期上期の各利益は計画を上回っていること、利益率が高いパッケージSI・サービスが好調に推移していること、過去の上期・下期の比率を考慮すると、特に利益面で保守的な印象が強い。

2. 中期成長戦略
同社は今後の成長戦略として「Attack100」を掲げ、売上高100億円を早期に達成することに加え、中長期的に営業利益率10%の達成を目指している。中期数値計画としては、成長事業と位置付けるパッケージベースSI・サービスの伸長により、2024年3月期に売上高12,300百万円、営業利益1,250百万円、経常利益1,270百万円、親会社株主に帰属する当期純利益830百万円を目指す。また、成長施策としては、1) 積極的なM&Aの推進、2) 業務提携先とのさらなる連携強化、3) DXビジネス推進、4) 直ユーザー取引拡大と得意分野の強化の4つを掲げている。「積極的なM&Aの推進」としては、インフリーの子会社化によりグループ内でリソースを共有することで、シナジー効果が発揮されている。このほか「DXビジネス推進」ではDX推進本部が推進役となり、「クラウド及びパッケージベースSI」の拡大のほか、同社の強みを生かした「ローコード開発並びにアジャイル開発」に取り組んでいく方針だ。

3. 株主還元策
同社は2021年11月に配当方針の変更を行い、従来の配当性向30%以上を利益還元する方針を、連結配当性向40%以上を利益還元する方針に変更した。この配当方針の変更に伴い、2022年3月期の1株当たり期末配当金を14.0円(前回予想比4.0円増配)に増配し、予想配当性向は43.1%となった。これにより、2022年3月期の年間配当金は前期比7.4円増の24.0円となる。このほか、2021年10月1日付で1:1.5の株式分割も実施している。

■Key Points
・半世紀近い業歴を持つ独立系システムインテグレータ
・利益率が高いパッケージSI・サービスが好調に推移したことにより、2022年3月期第2四半期の各利益は計画を上回って着地
・2022年3月期は期初予想を据え置くも、利益面で保守的な印象
・2024年3月期に売上高12,300百万円、営業利益1,250百万円、営業利益率は10.2%を目指す
・連結配当性向40%以上に基準を引き上げ、2022年3月期の1株当たり配当金は前期比7.4円増配の24.0円予想に

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)


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