◆ 「米金融正常化」への思惑は崩れず - 米雇用統計
注目された米雇用統計は、“マチマチ”という結果でした。
まず非農業部門雇用者数は“昨年1年間を通しても最小&2ヶ月連続で予想の半分以下(+19.9万人)”と、かなり芳しくありませんでした。
一方で失業率は“2020年2月以来(3.9%)”/平均時給は“予想以上(前月比+0.6%/前年比+4.7%)”と、こちらはかなりの好内容が示されています。
ただし現在のマーケットは“インフレ≧完全雇用”に傾斜している分だけ、「米金融正常化」への思惑が後退することはありませんでした。
逆に『テーパリング終了(3月)と同時に利上げ開始』『年内利上げ回数を3回→4回へ引き上げ』といった話も流れるなど、さらに強まった印象もあるくらいです。
◆ ただしリスクセンチメントは悪化
一方で「重症化リスクは低い」との認識こそあるものの、昨日は「オミクロン株の感染拡大」も併存しました。
これに前記「米金融正常化」に伴う「米株式軟調」が加わり、リスクセンチメントはさらに悪化しています。
こうして“綱引き(ドル買い⇔円買い)”となっているドル円ですが、昨日は“リスク回避→円買い”が勝ったこともあり、“115.043円”へと押し下げられる場面を見せています。
◆ 基本は“綱引き”と見るが、それでも…?
こうなってしまうと「金利(米金融正常化への思惑)」「リスク(オミクロン株の感染拡大等)」の駆け引きになりやすく、“綱引き”の展開が本日も想定されるところです。
ただし本日は「パウエルFRB議長発言(乗員・指名公聴会)」が予定されているだけに、前者の思惑が先行しやすい…?
オーダー状況を見ると、“115.00円”にはかなりまとまった規模の「ドル買いオーダー」が設定されていると聞き及びます。
つまりここからの“下値追い”には、かなりのパワーが必要と見るのが自然です。
もちろん“115.40-60円”には「ドル売りオーダー」も散見されていますので、このまま“上値模索”に回帰できるかは微妙といわざるを得ません。
それでも昨日の下落にて、すでに“いい水準”まで下げています。
ここまで来れば“下値は堅い”、押すところがあれば“積極的な買い拾い”にて、対処したいところです。
◆ ドル円 抵抗・支持ライン
上値5:116.182(1/6高値、ピボット2ndレジスタンス)
上値4:116.046(1/7高値、大台)
上値3:115.848(1/10高値、1/4~1/10の61.8%戻し)
上値2:115.695(1/4~1/10の50%戻し、日足・一目均衡表転換線、ピボット1stレジスタンス)
上値1:115.541(1/4~1/10の38.2%戻し、+1σ)
前営業日終値:115.203
下値1:115.043(1/10安値、大台)
下値2:114.947(1/3安値、11/30~1/4の38.2%押し、ピボット1stサポート)
下値3:114.813(20日移動平均線)
下値4:114.670(12/29安値、12/17~1/4の50%押し)
下値5:114.560(ピボット2ndサポート)
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