「神経質な揺れ動き」を覚悟…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2022/01/07 10:55

◆ “利益確定売り”先行 - 一時115円半ば


FOMC議事要旨後の動きは続いており、昨日も米10年債利回りは“上昇(1.75%は2021年3月30日以来)”、そして米株式は“続落(NYダウは170ドル安)”を見せています。
一方でドル円には“利益確定売り”が先行しており、NYタイム中盤には“115.627円”へと値を落とす場面が見られました。
もっともリスク回避一辺倒のフローにはなっておらず、緩やかに下げ幅を削って昨日の取引を終えています。

◆ 前哨戦は“マチマチ”も、思惑は“傾斜したまま”… - 米雇用統計


こうした中、本日は「米雇用統計」が予定されています。
事前予想は「非農業部門雇用者数(+40.0万人)/失業率(4.1%)/平均時給(前年比+4.2%)」となっていますので、まずはここからの乖離具合が注目ということになります。

前哨戦を見ると「ISM製造業景況指数(61.1→58.7)/非製造業景況指数(69.1→62.0)」は、それぞれ“悪化”しています。
「オミクロン株の感染拡大」が懸念される状況といえますが、一方で「ADP雇用統計(+50.5万人→+80.7万人)」は“改善”しています。
つまり“マチマチ”といった状況下、先日の「FOMC議事要旨」をキッカケにした“金融正常化”への思惑に傾斜したままとなっています。
このため強い内容ならば“完全雇用→ドル買い”につながりやすく、反面、弱い内容となれば“先走り→ポジション調整”への意識が高まってもおかしくないということになります。


◆ 発表までは“様子見”、発表後は“上値窺い”を想定しているが…?

その上、強ければ“米株安→リスク回避”、弱ければ“米株高→リスク選好”という、別の要素が絡んでくる展開も想定しなければなりません。
オーダー状況を見ると、“116.30-50円”にはドル売りオーダー、“115.50-30円”にはドル買いオーダーが並んでいると聞き及びます。
発表までは“様子見(膠着)”、発表後は“好内容→上値窺い”を個人的には想定していますが、「米10年債利回り」「米株式」それに伴う「センチメントの揺れ動き」にも目を配らなければなりません。
「出てみるまでわからない」といった類の指標ではありますが、本日に関してはそれ以上の「神経質な揺れ動き」を覚悟しておくべきかもしれませんね。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン


※米雇用統計が予定されていますので、いつもより値幅を拡大しています。

117.527(17/1/9高値)
117.045(11/9~11/24-11/30の161.8%返し、大台)
116.860(17/1/11高値)
116.701(ピボットハイブレイクアウト)
上値5:116.411(+2σ、ピボット2ndレジスタンス)
上値4:116.346(1/4高値)
上値3:116.244(1/5高値)
上値2:116.146(ピボット1stレジスタンス、1/6高値)
上値1:116.000(大台)
前営業日終値:115.850
下値1:115.623(1/5-6安値、1/3~1/4の50%押し水準、ピボット1stサポート)
下値2:115.481(1/3~1/4の61.8%押し、日足・一目均衡表転換線、+1σ)
下値3:115.331(ピボット2ndサポート)
下値4:115.247(1/4安値)
下値5:115.121(12/17~1/4の38.2%押し)
115.036(ピボットローブレイクアウト、大台)
114.947(1/3安値)
114.888(11/30~1/4の38.2%押し)
114.670(12/29安値、12/17~1/4の50%押し)

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想