流動性回帰は「例年より鈍い」…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2021/12/27 10:47

◆ 全くの“動意薄” - 114円前半


クリスマスということもあって、先週末は全くの動意薄でした。

欧米市場が“概ね休場(一部短縮取引)”となる中、流動性が極端に低下したからです。
このため「オミクロン株の重症化リスク」を巡る楽観論からセンチメントは改善したものの、ドル円の値幅も限定されました。
比較的底堅い推移を見せ、東京タイムには“114.507円”へと上値を伸ばす場面も見せたものの、その後の膠着から変動幅は“わずか23.2銭(114.275-507円)”に留まっています。

◆ 今年のスケジュール感を考えれば…?


今年は、英連邦諸国(英・加・豪・NZ等)が“本日も休場(クリスマスの振替休日)”、“明日も休場(ボクシングデーの振替休日)”というスケジュールになっています。
このため「NYタイムに入ってどこまで…」といった期待は存在するものの、「例年に比べて流動性回帰は鈍い」と見るのが自然ということになります。
そうなると「突発的な材料」でも跳び出してこない限り、“動意が乏しい”は継続する可能性が高いということになります。

◆ オーダー状況も“上下ガチガチ”…


オーダー状況を見ると“114.40-50円”にはまとまった規模のドル売りオーダーが展開し、さらに“その上(~115.00円)”にも段階的に設定されていると聞き及びます。
「日・米金融政策の違い」「オミクロン株への楽観論(悲観論後退)」を背景に、“下(114.20-00円)にもビッシリ”という状況ですので、基本的には“底堅い”が想定されますが、本日も“動意薄”と見ておくべきかもしれませんね。
「突発的な材料」の出現には、常に目を光らせながら…。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン


上値5:114.812(11/24~11/30の76.4%戻し)
上値4:114.672(ピボットハイブレイクアウト)
上値3:114.589(ピボット2ndレジスタンス、+2σ)
上値2:114.507(12/24高値)
上値1:114.440(ピボット1stレジスタンス)
前営業日終値:114.290
下値1:114.208(ピボット1stサポート)
下値2:114.110(+1σ、ピボット2ndサポート)
下値3:114.046(12/23安値、日足・一目均衡表基準線、週足・一目均衡表転換線、大台)
下値4:113.948(12/22安値、12/17~12/24の38.2%押し、50日移動平均線、ピボットローブレイクアウト)
下値5:113.823(12/17~12/24の50%押し、日足・一目均衡表先行スパン上限/転換線)

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想