「抜け切れるか?」…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2021/11/16 10:15

◆ “金利選好→ドル買い”再燃 - 114円前半


強めの米経済指標を背景に、昨日は米10年債利回りが“1.63%”へと駆け上がりました。
この影響から“金利選好→ドル買い”が進行し、対ユーロで“年初来高値更新(ユーロドルは年初来安値)”を見せると、対円は“114.212円”へ上値を伸ばしました。

一方で米10年債利回り上昇を警戒して、米株価指数は軒並み反落しています。
このため“リスク選好→円売り”は緩んでおり、これがドル円の上値を押さえています。

◆ 「仕掛け的な動き」には気を付けながら…?


こうした状況下、本日は「米小売売上高/鉱工業生産」が予定されています。
“好内容(事前予想は+0.7%→+1.2%/△1.3%→+0.7%)”が想定されていますので、“金利選好→ドル買い”がさらに進行してもおかしくないところです。
一方で“(昨日に)前倒し的に織り込んだ”という可能性もゼロではありませんので、「過度な期待は禁物」といわざるを得ないのも、また事実です。
そうなると“方向感定まらず”にもなりやすく、このまま“上値模索”を継続できるかは微妙ということにもなります。


オーダー状況を見ると、“113.90-70円”へとドル買いオーダーは幾分切り上がったものの、ドル売りオーダーはそのまま“114.20-30円”で変わっていないと聞き及びます。
レンジが狭まった分「上or下に抜けやすくなった」と見ることは可能ですが、それでも「抜け切れるか?」に関しては“微妙”といわざるを得ないところです。

「仕掛け的な動き」には気を付けながらも、本日は「抜け切れるか?」を主体に対峙したいところです。
年初来安値を更新中の「ユーロドルの行方」を、主なる参考としながら…。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン


上値5:114.733(17/11/6高値、10/20高値《年初来高値》、ピボットハイブレイクアウト)
上値4:114.584(+2σ)
上値3:114.444(11/1高値、ピボット2ndレジスタンス)
上値2:114.299(11/12高値、ピボット1stレジスタンス)
上値1:114.212(11/15高値、+1σ)
前営業日終値:114.132
下値1:114.000(大台)
下値2:113.852(ピボット1stサポート、20日移動平均線)
下値3:113.752(11/15安値、日足・一目均衡表基準線)
下値4:113.512(11/9~11/12の50%押し、日足・一目均衡表転換線、-1σ、ピボット2ndサポート)
下値5:113.326(11/9~11/12の61.8%押し、ピボットローブレイクアウト)

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想