【IRアナリストレポート】カーブスホールディングス(7085)

著者:鈴木 行生
投稿:2021/11/08 17:47

~女性専用からオンライン・ハイブリッドやメンズへ新たなサービスを展開~

【ポイント】
・会員数の回復に最も力を入れている。コロナ前の会員数は86.4万人がピークであったが、2020年8月末は60.0万人まで落ち込んだ。前2021年8月末は69.3万人へ好転し、今期は79.8万人への回復を目指す。そのためのマーケティングに先行投資している。

・カーブスの顧客は高齢層が多いので、ワクチン接種が早めに進行した。休会していた会員も戻ってきた。前2021年8月期は、1Q(9~11月)で赤字が大幅に縮小し、2Q以降は黒字を確保した。ポストコロナに対応した戦略遂行で、次の成長に備えようとしている。

・カーブスの店舗は、月額課金の仕組みではあるが、休業期間の会費は返還し、FC店への休業補償も行った。この負担が一時厳しいものとなったが、昨年6月からは順次営業が再開し、休業補償も終了した。緊急事態宣言下でも、カーブスへの直接的な休業や時短要請はなかったので、十分乗り切れた。

・オンラインの「おうちでカーブス」は昨年9月からトライし、4月から本格的にマーケティングを開始した。8月末のオンライン会員は1.5万人に増えている。また、メンズ・カーブスは、5月に青森県で「メンズ・カーブス八戸ラピア」がオープンし、7店目となった。女性向けの立地と連携しているので、立ち上げは順調である。

・今期の営業利益計画は25億円(前期比54%増)で、配当も7円(前期5円)に引き上げる予定である。新規会員の獲得が成果を上げてくるので、来期には90万人への拡大が見込めよう。業績の回復テンポも一段と上がってこよう。

・カーブスHDは、コシダカHDからスピンオフし、2020年3月に東証1部に上場した。独立したカーブスは、増本社長のリーダーシップのもと、主力事業を軸に、第2の成長を目指している。いよいよ攻めの局面に入ろう。

・店舗とリモートのハイブリッド型ビジネスモデルで、国内の会員135万人をめざす。パイはかなり大きくなるので、中長期的な成長は十分期待できよう。会員数と業績の回復ピッチに注目したい。

目 次
1.特色 女性専用フィットネスがキャッシュカウ
2.強み 米国カーブス総本部の買収後、スピンオフで分離独立
3.中期経営方針 オンラインサービスを開始し、ハイブリットのビジネスモデルへ
4.当面の業績 コロナショックを克服し、本格回復へ
5.企業評価 新たな会員の獲得に向けて

カーブスホールディングス <7085>
企業レーティング
株価
(2021年11月8日)
946円
時価総額 888億円
(93.85百万株)
PBR 9.69倍
ROE 17.5%
PER 55.6倍
配当利回り 0.7%
総資産 36284百万円
純資産 9163百万円
自己資本比率 25.3%
BPS 97.6円
(百万円、円)
決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益 EPS 配当
2018.8 27937 5095 5293 3488 37.4 32.0
2019.8 28036 5436 5242 3706 39.5 31.8
2020.8 25082 1167 1165 764 8.7 5.0
2021.8 24681 1622 1716 1129 12.0 5.0
2022.8(予) 26500 2500 2450 1600 17.0 7.0
2023.8(予) 29000 4000 3900 2500 26.6 13.0

(2021.8ベース)
(注)ROE、PER、配当利回りは直近予想ベース。2020年2月末にコシダカHDよりスピンオフし、3月2日に上場。2019.8期以前のEPS、配当は修正ベース。2020.8期の配当は、上場記念配2.0円を含む。
 
企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。

レポート全文はこちらから
https://www.belletk.com/ka-busu202111.pdf
 

(開示)日本ベル投資研究所は、スピンオフに関する実態と手続きの詳細を分析するために、当社株式1000株を中長期的に所有している。〔アナリストレポートの原則についてはこちら

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配信元: みんかぶ株式コラム

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