【IRアナリストレポート】コシダカホールディングス(2157)

著者:鈴木 行生
投稿:2021/11/05 12:23

~コロナショックを乗り切り、新しいエンタメ・インフラ企業をめざす~

【ポイント】
・新型コロナ感染に伴う規制が、昨年11月から第3波、今年4月から第4波、7月から第5波と続き、緊急事態宣言の度に営業休止が余儀なくされた。前2021年8月期は大幅赤字となったが、今期は10月から客足が急回復、1Qは赤字ながら大きく好転しよう。

・前期の営業赤字は76億円、純損失は41億円であった。カラオケ店の休業に関わる支援金は営業外収益に入り、赤字に伴う税金の調整などもあるので、コロナの実質的影響は純損益でみた方がよい。休業や時短に伴う支援金は約50億円で、うち38億円が前期に計上され、残りは今期に入ってくる予定である。

・カラオケの店内で利用する「コロナウイルスを不活化する特殊紫外線ランプ」を東北大学、オーク製作所と独自開発した。感染症対策としての効果が期待できる。7月までに100台導入、全店に配備する計画である。

・ポストコロナに向けて、腰髙社長は2つの手を打っている。1つは、プライベート エンターテイメント ルーム(PER)の実現を加速させようとしており、もう1つはシェア拡大のチャンスとして、慎重ながらも果敢な出店をM&Aを含めて展開している。

・カーブス事業をスピンオフした後のコシダカHDは、新しいエンタメ・インフラ企業を作っていく。2020年10月に渋谷にオープンした店舗が第1弾である。ミクシィと共同で、カラスタ・ワンレックを開発した。自分たちの歌動画をプロ並みの設備で手軽に作成し、著作権の問題もなくYouTubeなどに投稿できる。

・3月に大庄のカラオケ事業の譲り受け、41店を手に入れた。首都圏・繁華街への出店強化に合致した。海外はコロナの影響でまだ苦戦が続いており、シンガポールは撤退、韓国は縮小、マレーシア、タイ、インドネシアなどで、次の展開をみている。

・当社のカラオケの競争優位性は引き続き高い。「エンタメをインフラに」をビジョンに、「既存業種新業態」を軸に中長期的な成長を目指す。コロナショックを克服して、収益性を戻すことは十分見込める。今後の回復ペースに注目したい。

目次
1.特色 「既存業種新業態」の余暇サービス提供企業
2.強み カラオケの首都圏展開で競争力を発揮
3.スピンオフ カーブスをスピンオフして分離独立
4.中期経営方針 カラオケからプライベートエンターテイメントへ
5.当面の業績 コロナショックは十分乗り切れる
6.企業評価 本格回復の局面へ

コシダカホールディングス <2157>
企業レーティング
株価
(2021年11月4日)
693円
時価総額 570億円
(82.3百万株)
PBR 3.11倍
ROE 17.1%
PER 18.2倍
配当利回り 1.1%
総資産 41973百万円
純資産 18178百万円
自己資本比率 43.3%
BPS 223.0円
(百万円、円)
決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益 EPS 配当
2015.8 44257 4394 4492 2098 28.2 7.5
2016.8 51170 4810 4699 1900 26.2 8.0
2017.8 55283 6146 6354 3255 43.6 9.0
2018.8 61771 7858 8207 4426 54.4 10.0
2019.8 65840 9507 9562 6226 76.6 12.0
2020.8 43303 1147 1699 -231 -2.8 12.0
2021.8 20791 -7628 -3092 -4144 -50.8 4.0
2022.8(予) 40000 2700 4500 3100 38.0 8.0
2023.8(予) 45000 4500 4500 3000 36.8 8.0

(2021.8ベース)
(注)ROE、PER、配当利回りは今期ベース。2018年5月末で1:4の株式分割を実施。それ以前のEPS、配当は修正ベース。カーブスを2020年2月末でスピンオフ(1:2.109の株式分割に相当)。
 
企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。

レポート全文はこちらから
https://www.belletk.com/kosidaka202111.pdf
 
(開示)日本ベル投資研究所は、スピンオフに関する実態と手続きの詳細を分析するために、当社株式を1000株ほど中長期的に所有している。〔アナリストレポートの原則について(詳しくはこちら)〕

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配信元: みんかぶ株式コラム

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