~コロナショックを乗り切り、新しいエンタメ・インフラ企業をめざす~
【ポイント】
・新型コロナ感染に伴う規制が、昨年11月から第3波、今年4月から第4波、7月から第5波と続き、緊急事態宣言の度に営業休止が余儀なくされた。前2021年8月期は大幅赤字となったが、今期は10月から客足が急回復、1Qは赤字ながら大きく好転しよう。
・前期の営業赤字は76億円、純損失は41億円であった。カラオケ店の休業に関わる支援金は営業外収益に入り、赤字に伴う税金の調整などもあるので、コロナの実質的影響は純損益でみた方がよい。休業や時短に伴う支援金は約50億円で、うち38億円が前期に計上され、残りは今期に入ってくる予定である。
・カラオケの店内で利用する「コロナウイルスを不活化する特殊紫外線ランプ」を東北大学、オーク製作所と独自開発した。感染症対策としての効果が期待できる。7月までに100台導入、全店に配備する計画である。
・ポストコロナに向けて、腰髙社長は2つの手を打っている。1つは、プライベート エンターテイメント ルーム(PER)の実現を加速させようとしており、もう1つはシェア拡大のチャンスとして、慎重ながらも果敢な出店をM&Aを含めて展開している。
・カーブス事業をスピンオフした後のコシダカHDは、新しいエンタメ・インフラ企業を作っていく。2020年10月に渋谷にオープンした店舗が第1弾である。ミクシィと共同で、カラスタ・ワンレックを開発した。自分たちの歌動画をプロ並みの設備で手軽に作成し、著作権の問題もなくYouTubeなどに投稿できる。
・3月に大庄のカラオケ事業の譲り受け、41店を手に入れた。首都圏・繁華街への出店強化に合致した。海外はコロナの影響でまだ苦戦が続いており、シンガポールは撤退、韓国は縮小、マレーシア、タイ、インドネシアなどで、次の展開をみている。
・当社のカラオケの競争優位性は引き続き高い。「エンタメをインフラに」をビジョンに、「既存業種新業態」を軸に中長期的な成長を目指す。コロナショックを克服して、収益性を戻すことは十分見込める。今後の回復ペースに注目したい。
目次
1.特色 「既存業種新業態」の余暇サービス提供企業
2.強み カラオケの首都圏展開で競争力を発揮
3.スピンオフ カーブスをスピンオフして分離独立
4.中期経営方針 カラオケからプライベートエンターテイメントへ
5.当面の業績 コロナショックは十分乗り切れる
6.企業評価 本格回復の局面へ
企業レーティング | B |
---|---|
株価 (2021年11月4日) |
693円 |
時価総額 | 570億円 (82.3百万株) |
PBR | 3.11倍 |
ROE | 17.1% |
PER | 18.2倍 |
配当利回り | 1.1% |
総資産 | 41973百万円 |
純資産 | 18178百万円 |
自己資本比率 | 43.3% |
BPS | 223.0円 |
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 | EPS | 配当 |
---|---|---|---|---|---|---|
2015.8 | 44257 | 4394 | 4492 | 2098 | 28.2 | 7.5 |
2016.8 | 51170 | 4810 | 4699 | 1900 | 26.2 | 8.0 |
2017.8 | 55283 | 6146 | 6354 | 3255 | 43.6 | 9.0 |
2018.8 | 61771 | 7858 | 8207 | 4426 | 54.4 | 10.0 |
2019.8 | 65840 | 9507 | 9562 | 6226 | 76.6 | 12.0 |
2020.8 | 43303 | 1147 | 1699 | -231 | -2.8 | 12.0 |
2021.8 | 20791 | -7628 | -3092 | -4144 | -50.8 | 4.0 |
2022.8(予) | 40000 | 2700 | 4500 | 3100 | 38.0 | 8.0 |
2023.8(予) | 45000 | 4500 | 4500 | 3000 | 36.8 | 8.0 |
(2021.8ベース)
(注)ROE、PER、配当利回りは今期ベース。2018年5月末で1:4の株式分割を実施。それ以前のEPS、配当は修正ベース。カーブスを2020年2月末でスピンオフ(1:2.109の株式分割に相当)。
企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。
レポート全文はこちらから
https://www.belletk.com/kosidaka202111.pdf
(開示)日本ベル投資研究所は、スピンオフに関する実態と手続きの詳細を分析するために、当社株式を1000株ほど中長期的に所有している。〔アナリストレポートの原則について(詳しくはこちら)〕
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