◆ 上を下への揺れ動き - 米雇用統計
非農業部門雇用者数が事前予想を“大きく下回った(予想:50.0万人/結果:19.4万人)”ことで、発表直後は“ドル売り”が進行しました。
一方で平均時給は“高い伸び(前年比+4.6%)”を維持し、失業率は“20年8月以来(4.8%)”へと改善しています。
何より「政府の雇用減(△12.3万人)が響いた」との見方が台頭したことで、次第に「テーパリングを後退させるほどでない」との思惑へと転じていきました。
こうして一転して“ドル売り→ドル買い”となり、米10年債利回りが“急上昇(1.55%→1.61%)”を見せる中で、ドル円は“2019年4月以来の水準(112.249円)”へと駆け上がりました。
◆ さらなる米10年債利回り上昇への期待は募るが…?
“1.60%”を明確に突破した米10年債利回りがさらに上値を伸ばすようなことがあると、“ドル買い”に拍車がかかる可能性は否めないところがあるのは事実です。
しかし本日はコロンブス・デーであり、米国は祝日となります。
株式・商品市場がオープンするものの、債券市場がクローズとなるだけに、この点を囃した“ドル買い”は思惑先行の印象が拭えない…?
“80ドル台”にすでに乗せた原油がさらに上昇すれば、“米インフレ懸念→早期テーパリング”を誘う可能性はゼロではありません。
しかしここからの上昇は、米株式に逆風として吹いてもおかしくないリスクを秘めています。
◆ ポイントは“月足・一目均衡表先行スパン上限”
テクニカル的な要所は、“月足・一目均衡表先行スパン上限(112.371円)”ともほぼ重なる“19/4/24高値(112.398円)”です。
明確に突破するとさらなる上昇が否めない反面、超え切れないととの懸念も募る分水嶺…?
当該ラインを静かに窺いつつ、しかしなかなか超え切れないといった展開を、本日は想定したいところです。
急上昇への懸念を、常に頭の片隅には残しながら…。
◆ ドル円 抵抗・支持ライン
上値5:112.858(18/12/18高値)
上値4:112.743(ピボット2ndレジスタンス)
上値3:112.660(18/12/19-20高値、+2σ、1/6~3/31-4/23の61.8%返し)
上値2:112.493(ピボット1stレジスタンス)
上値1:112.398(19/4/24高値、月足・一目均衡表先行スパン上限)
前営業日終値:112.242
下値1:112.080(9/30高値《旧年初来高値》)
下値2:112.000(大台)
下値3:111.702(10/4~10/8の38.2%押し、+1σ、ピボット1stサポート)
下値4:111.504(10/8安値、日足・一目均衡表転換線、10/4~10/8の50%押し)
下値5:111.364(10/4~10/8の61.8%押し)
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