豪ドル/NZドル、「1.05NZドル」突破となるか

著者:津田隆光
投稿:2021/10/01 10:14

トレンド転換シグナル出現か

豪ドル/NZドル・日足・複合チャート
豪ドル/NZドル・日足・複合チャート出所:マネースクエアFXチャート

【注目ポイント】心理的水準である「1.05000NZドル」を突破するか否か
【見通し①】当該レート上抜け突破なら、「1.05330NZドル」付近までの上昇
【見通し②】当該レート未達なら、「1.03700NZドル」付近までの下押し

豪ドル/NZドルの21日MA(移動平均線)突破後の上値メドと想定していたBB(ボリンジャーバンド)・+1σライン(≒1.03980NZドル[9/27時点観測レート])ですが、先月28日の終値ベースで同ラインを上抜け突破する動きとなっています。そして、翌29日には、上値抵抗線として機能するBB・+2σラインおよび先行2スパンを終値ベースで上抜け突破したことで、トレンド転換シグナルが各所に出現しています。

上図の各メルクマールを見ると、1) 21日MA(移動平均線)が右肩上がりになりつつあること、2) 遅行スパンがローソク足を上抜ける“好転”シグナル(上図黄色丸印)となっていること、3) 上述の通り、ローソク足がBB・+2σラインおよび先行2スパンを上抜け突破していること、4) パラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)がローソク足の下方で点灯していること、そして、5) DMI(方向性指数)で、+DI>-DIとなり、その乖離が拡大しつつある(上図赤色点線丸印)ことから、豪ドル/NZドル・日足チャートでは、上昇トレンド序盤を示唆するチャート形状であると判断します。

目先の注目ポイントは、心理的水準である「1.05000NZドル」(上図赤色線、黄色矢印)を上抜け突破するか否か。

筆者が予想する、今後の見通しは以下の通りです。(見通し①、②)


[見通し①]
これからの時間にかけて、仮に当該レートをローソク足が終値ベースで上抜け突破した場合は、「心理的水準突破」→「もう一段の上値トライ」となりそうです。そのケースでは、「+DI>-DIの更なる乖離拡大」および「ADXの右肩上がり推移」も伴いながら、今年の高安レート(高値:1.09415NZドル[3/29]、安値:1.02806NZドル[9/16])を結んだFR(フィボナッチ・リトレースメント)・38.2%戻し水準である「1.05330NZドル」(上図Ⓐ水色線)付近までの上昇となりそうです。

[見通し②]
一方で、ローソク足が当該レート未達となった場合は、「上値抵抗圧力の強まり」→「一旦下押しフロー」となる可能性も。そのケースでは、「遅行スパンの“好転”フェイク(ダマし)」や「+DI>-DIの乖離縮小」も伴いながら、約1カ月間における市場参加者の平均コストを示す21日MA(≒1.03700NZドル、上図Ⓑ)付近までの下押しとなりそうです。当該フローは、「上昇トレンド判断の修正」→「レンジ相場継続」を示唆することから、当面は、下値メド:21日MA、上値メド:心理的水準を基準とする「1.03700NZドル~1.05000NZドル」を“主戦場”(コアレンジ)とする相場展開となりそうです。

津田隆光
マネースクエア チーフマーケットアドバイザー
配信元: 達人の予想