“仕掛け的な動き”が入らないとも限らないが…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2021/09/29 10:11

◆ 金利選好の動きは続き… - 111円半ば


あぁ、さらに加速…。

昨日も米10年債利回りの上昇は継続し、6/17以来の“1.56%”へと上げ幅を拡げる場面を見せました。
この影響からドルは“全面高”の様相を示しており、ドル円は“年初来高値(7/2:111.659円)”にほぼ面合わせとなる“111.635円”へと駆け上がりました。

その後は“2月以来水準(109.3:前月比△5.9ポイント)”に低下した米消費者信頼感指数の影響もあり、米10年債利回りは“伸び悩み”へと転じました。
ただ“ドル買い”の勢いはなかなか止まらず、結局“111円半ば”で高止まりしたまま、昨日の取引を終えています。

◆ ポイントは「自民党総裁選」と「中国恒大集団の利払い」…?


「険しい道程」と見た昨日でしたが、実にあっさりと上値を追いました。
「日米金融当局の立ち位置の違い(正反対)」を踏まえれば、“明確な突破(もう一段の上値追い)”も夢ではないということになりそうです。
特に本日は「自民党総裁選・投開票」が予定されていますので、“(思惑による)仕掛け的な動き”が入らないとも限りませんので、注意が必要といえそうです。

それでも本日は、「中国恒大集団の利払い(50億円相当)」も予定されています。
いつ“リスク回避”に振り回されてもおかしくないという状況下、思惑だけで“さらなる上値追い”へと傾き切れるか…?

流れに逆らえばろくなことになりませんが、“買い上がり”に関しては引き続き、慎重姿勢で臨みたいところです。
「押し目待ちに、押し目なし」になるかもしれませんが…。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン


上値5:112.062(ピボット2ndレジスタンス)
上値4:111.979(16/12/15~20/3/9の61.8%戻し、大台)
上値3:111.785(ピボット1stレジスタンス)
上値2:111.710(20/3/24-25高値)
上値1:111.659(7/2高値《年初来高値》、9/28高値)
前営業日終値:111.508
下値1:111.376(+2σ)
下値2:111.240(9/28高値後の押し目)
下値3:111.081(ピボット1stサポート、9/22~9/28の23.6%押し)
下値4:110.931(9/28安値、大台)
下値5:110.746(+1σ)

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想