今週のポイント
7日のRBA(豪中銀)政策会合では、「9月上旬以降、債券買い入れ額を減額するとの方針が維持されるのか否か」が焦点になりそうです。
市場では、BOC(カナダ中銀)は10月の会合で量的緩和プログラムを一段と縮小するとの観測があります。8日のBOCの政策会合における声明がその観測を高める内容になるかに注目です。
メキシコの8月CPIが9日に発表されます。BOM(メキシコ中銀)は8月の前回会合まで2会合連続で利上げを行っており、市場では9月30日の会合で追加利上げに踏み切るとの観測があります。8月のCPIが市場予想の前年比5.60%(本稿執筆時点)を上回る結果になれば、追加利上げ観測が一段と高まり、メキシコペソ/円の支援材料となる可能性があります。
トルコの8月CPI(消費者物価指数)が3日に発表され、結果は前年比19.25%でした。CPI上昇率は7月の18.95%から加速し、TCMB(トルコ中銀)の政策金利である19.00%を上回りました。
TCMBはここ数カ月、会合時の声明で「政策金利はインフレ率(CPI上昇率)を上回る水準に設定する」との方針を示しており、この方針を守るためには利上げが必要と考えられます。ただ、エルドアン・トルコ大統領が利下げを要求するなかでTCMBが利上げするのは困難とみられます。TCMBが9月23日の次回会合で政策金利を据え置けば(利上げしなければ)、TCMBの金融政策への信頼が低下するおそれがあります。TCMBの金融政策の先行き不透明感から、トルコリラ/円は上値が重い展開になりそうです。
今週の注目通貨ペア①:<豪ドル/NZドル 予想レンジ:1.03500NZドル~1.05500NZドル>
RBA(豪中銀)は7月の政策会合で「9月上旬以降、債券の買い入れ額を週50億豪ドルから週40億豪ドルへと減額する」と発表。8月3日の前回会合では、その方針を確認しました。
しかし8月の会合後、豪州では新型コロナのデルタ株の感染が拡大。シドニーのロックダウン(都市封鎖)は延長され、メルボルンやキャンベラでロックダウンが開始されました。
RBAは9月7日に会合を開きます。市場は「債券買い入れ額を減額するのを延期する」との見方と「予定通り債券の買い入れ額を減額する」との見方で分かれています。後者の決定が下されれば、豪ドル/NZドルは上昇する可能性があります。豪ドル/NZドルの目先のメドとして、下値が1.03567NZドル(8/31安値)、上値は1.05349NZドル(8/17高値)が挙げられます。
今週の注目通貨ペア②:<カナダドル/円 予想レンジ:86.000円~89.000円>
BOC(カナダ中銀)は7月の会合で、量的緩和プログラムの縮小を決定。カナダ国債の買い入れ目標を週30億カナダドルから週20億カナダドルへと減額しました。
量的緩和プログラムは9月8日の会合で据え置かれそうです。10月の会合では金融政策報告が公表され、総裁会見が行われるからです。また、9月20日にはカナダの総選挙が実施されます。BOCは量的緩和プログラムの一段の縮小を10月まで待つとみられます。
8日の会合時の声明が10月の量的緩和プログラム縮小への期待を高める内容になれば、カナダドル/円は堅調に推移しそうです。カナダドル/円は目先、200日移動平均線(6日時点で86.086円)が下値メド、88.647円(7/13高値)が上値メドです。
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