■業績見通し
1. 2022年6月期の業績予想
2022年6月期の業績予想についてアーバネットコーポレーション<3242>は、売上高を過去最高となる前期比9.8%増の23,000百万円、営業利益を同4.4%減の2,220百万円、経常利益を同6.3%減の1,950百万円、親会社株主に帰属する当期純利益を同1.4%増の1,300百万円と増収ながら営業減益を見込んでいる。
「不動産事業」における販売戸数の拡大が増収に大きく寄与する見通しである。前提となる販売戸数は727戸(前期比44戸増)を計画しており、すでに568戸が契約済となっている。一方、利益面で営業減益(利益率低下)となるのは、用地価格の高騰に加えて、過去の契約時点(2020年3月から5月)においてコロナ禍の影響を最小限に抑えるべく、利益確定を優先させ早期契約を推進したことが主因のようだ。したがって、リスクマネジメントに係る一過性の要因として捉えることが妥当であろう。なお、最終損益が増益を確保するのは、前期において計上した固定資産(賃貸用不動産)の減損損失がなくなることが理由である。
また、2021年10月に開業から1年を迎える「ホテル事業」については、コロナ禍の影響を想定した保守的な計画となっており、さらに業績の下振れ要因となる可能性は小さい。収益改善に努めるとともに、ワクチン接種率の向上や人流の増加とともに、アップサイドを目指していく考えである。
2. 弊社の見方
弊社でも、計画の前提となっている販売戸数727戸のうち、すでに568戸が契約済みとなっていることや、販売環境が好調を持続していること、竣工遅延の懸念も小さいことから、売上高予想の達成は十分に可能であるとみている。一方、営業減益となっている利益予想についても、マイナス要因を合理的に織り込んだ水準となっていることから、さらに下振れるリスクは限定的と判断しても良いであろう。最大の注目点は、東京都心での用地取得が困難な状況が継続するなかで、いかに将来に向けてパイプラインの積み上げを推進していくのかにある。独自のビジネスモデルや財務基盤を生かした大型プロジェクトの取得や東京都心以外(地方中核都市を含む)への展開などにも注目したい。また、コロナ禍に伴う不動産市況の変化や業界の動きによっては、突発的な案件取得の機会が出現する可能性もあるため、追加的なプラスの材料としてフォローする必要もありそうだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
<ST>
1. 2022年6月期の業績予想
2022年6月期の業績予想についてアーバネットコーポレーション<3242>は、売上高を過去最高となる前期比9.8%増の23,000百万円、営業利益を同4.4%減の2,220百万円、経常利益を同6.3%減の1,950百万円、親会社株主に帰属する当期純利益を同1.4%増の1,300百万円と増収ながら営業減益を見込んでいる。
「不動産事業」における販売戸数の拡大が増収に大きく寄与する見通しである。前提となる販売戸数は727戸(前期比44戸増)を計画しており、すでに568戸が契約済となっている。一方、利益面で営業減益(利益率低下)となるのは、用地価格の高騰に加えて、過去の契約時点(2020年3月から5月)においてコロナ禍の影響を最小限に抑えるべく、利益確定を優先させ早期契約を推進したことが主因のようだ。したがって、リスクマネジメントに係る一過性の要因として捉えることが妥当であろう。なお、最終損益が増益を確保するのは、前期において計上した固定資産(賃貸用不動産)の減損損失がなくなることが理由である。
また、2021年10月に開業から1年を迎える「ホテル事業」については、コロナ禍の影響を想定した保守的な計画となっており、さらに業績の下振れ要因となる可能性は小さい。収益改善に努めるとともに、ワクチン接種率の向上や人流の増加とともに、アップサイドを目指していく考えである。
2. 弊社の見方
弊社でも、計画の前提となっている販売戸数727戸のうち、すでに568戸が契約済みとなっていることや、販売環境が好調を持続していること、竣工遅延の懸念も小さいことから、売上高予想の達成は十分に可能であるとみている。一方、営業減益となっている利益予想についても、マイナス要因を合理的に織り込んだ水準となっていることから、さらに下振れるリスクは限定的と判断しても良いであろう。最大の注目点は、東京都心での用地取得が困難な状況が継続するなかで、いかに将来に向けてパイプラインの積み上げを推進していくのかにある。独自のビジネスモデルや財務基盤を生かした大型プロジェクトの取得や東京都心以外(地方中核都市を含む)への展開などにも注目したい。また、コロナ禍に伴う不動産市況の変化や業界の動きによっては、突発的な案件取得の機会が出現する可能性もあるため、追加的なプラスの材料としてフォローする必要もありそうだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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