「どちらに放れるか」の分水嶺…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2021/08/10 12:51

◆ 「早期の米テーパリング観測」再燃 - 110円前半


先週末の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が“昨年8月以来の高い伸び(+94.3万人)”を記録し、失業率(5.4%)/平均時給(+4.0%)もそれぞれ“予想を上回り”ました。
「早期の米テーパリング観測」が再燃しており、米10年債利回りは上昇、そしてドル円は“110.353円”へと上値を伸ばしました。

一方で、その後に前者が“1.32%”へとさらに上昇しているのに対して、後者は“頭打ち”となっています。
こうして“下値の堅さ”は健在だが、“上値の重さ”も目立っており、“110円前半”から抜け出せずにいます。

◆ “上値の重さ” VS “下値の堅さ”


このため「どちらに放れるか」が、本日はかなり意識されると見られます。
米10年債利回りの勢いが上回れば、“110.50-60円”に展開するドル売りオーダーにつっかける可能性が高く、一方で上値の重いドル円の勢いが上回れば“110.10-00円”に待ち構えるドル買いオーダーに挑む可能性が高まる分水嶺。

3連休明けの5・10日、3日続伸の日経平均等もあり、個人的には“上絵試し”を期待していますが、予断を持たず、情勢を見極めたいところです。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン


上値5:110.971(7/6高値、大台)
上値4:110.815(7/7高値、ピボットハイブレイクアウト)
上値3:110.696(7/14高値、日足・一目均衡表先行スパン上限、+2σ)
上値2:110.589(7/23-26高値、ピボット2ndレジスタンス)
上値1:110.451(ピボット1stレジスタンス)
前営業日終値:110.341(+1σ)
下値1:110.147(日足・一目均衡表基準線、50日移動平均線、週足・一目均衡表転換線、ピボット1stサポート)
下値2:110.026(8/9安値、大台)
下値3:109.893(20日移動平均線、20週移動平均線、ピボット2ndサポート)
下値4:109.805(ピボットローブレイクアウト)
下値5:109.693(8/6安値、100日移動平均線、月足・一目均衡表先行スパン下限、100月移動平均線)

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想