【IRアナリストレポート】コシダカホールディングス(2157)

著者:鈴木 行生
投稿:2021/08/02 17:34

~コロナショックを乗り切り、新しいエンタメ・インフラをめざす~

【ポイント】
・新型コロナ感染は、昨年11月からの第3波、今年4月から第4波に続き、7月からは第5波が続いている。コロナが落ち着くと回復傾向に入るが、緊急事態宣言の度に水を差される。四半期毎の赤字は、来2022年8月期の1Q(9~11月)まで続こう。

・カラオケ店の休業の伴う支援金は営業外収益に入り、赤字に伴う税金の調整などもあるので、赤字の実質的影響は純利益でみた方はよい。今2021年8月期の会社計画の純損失は35億円である。来期は黒字が見込めるので、財務的にも十分克服できよう。

・カラオケの店内で利用する「コロナウイルスを不活化する特殊紫外線ランプ」を東北大学、オーク製作所と独自開発した。感染症対策としての効果が期待できる。7月までに100台、その後全店に配備する計画である。

・ポストコロナに向けて、腰髙社長は2つの手を打っている。1つは、プライベート エンターテイメント ルーム(PER)の実現を加速させようとしており、もう1つはシェア拡大のチャンスとして、慎重ながらも果敢な出店をM&Aを含めて展開している。

・カーブス事業をスピンオフした後のコシダカHDは、新しいエンタメ・インフラ企業を作っていく。昨年10月に渋谷にオープンした店舗が第1弾である。ミクシィと共同で、カラスタ・ワンレックを開発した。自分たちの歌動画をプロ並みの設備で手軽に作成し、著作権の問題もなくYouTubeなどに投稿できる。

・3月に大庄のカラオケ事業の譲受を決定し、43店を手に入れた。首都圏・繁華街への出店強化に合致する。海外はコロナの影響でまだ苦戦が続いており、シンガポールは撤退して、マレーシア、タイ、インドネシアで、次の展開を図ることになろう。

・当社のカラオケの競争優位性は引き続き高い。「エンタメをインフラに」をビジョンに、「既存業種新業態」を軸に中長期的な成長を目指す。コロナショックの克服にはもう1年を要しようが、収益性を戻すことは十分見込める。次の展開を見ながら、投資のタイミングを計りたい。

目 次
1.特色 「既存業種新業態」の総合余暇サービス提供企業
2.強み カラオケの首都圏展開で競争力を発揮
3.スピンオフ カーブスをスピンオフで分離独立
4.中期経営方針 カラオケからプライベートエンターテイメントへ
5.当面の業績 コロナショックは十分乗り切れる
6.企業評価 本格回復は1年後

コシダカホールディングス <2157>
企業レーティング
株価
(2021年8月2日)
550円
時価総額 453億円
(82.3百万株)
PBR 2.32倍
ROE 2.6%
PER 90.2倍
配当利回り 0.7%
総資産 43461百万円
純資産 19296百万円
自己資本比率 44.4%
BPS 236.7円
(百万円、円)
決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益 EPS 配当
2015.8 44257 4394 4492 2098 28.2 7.5
2016.8 51170 4810 4699 1900 26.2 8.0
2017.8 55283 6146 6354 3255 43.6 9.0
2018.8 61771 7858 8207 4426 54.4 10.0
2019.8 65840 9507 9562 6226 76.6 12.0
2020.8 43303 1147 1699 -231 -2.8 12.0
2021.8(予) 21500 -7400 -5100 -3500 -43.7 4.0
2022.8(予) 31100 900 800 500 6.1 4.0
2023.8(予) 35500 3400 3300 2200 27.0 8.0

(2021.5ベース)
(注)ROE、PER、配当利回りは来期ベース。14.8期末に1:2、2018年5月末で1:4の株式分割を実施。それ以前のEPS、配当は修正ベース。カーブスを2020年2月末でスピンオフ(1:2.109の株式分割に相当)。
 
企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。

レポート全文はこちらから
http://www.belletk.com/kosidaka202108.pdf
 
(開示)日本ベル投資研究所は、スピンオフに関する実態と手続きの詳細を分析するために、当社株式を1000株ほど中長期的に所有している。〔アナリストレポートの原則について(詳しくはこちら)〕

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配信元: みんかぶ株式コラム

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