[資源・新興国通貨8/2~6のポイント&注目通貨] 豪ドルは豪中銀会合に注目!!

著者:八代和也
投稿:2021/08/02 14:21

今週のポイント

RBA(豪中銀)が3日に政策会合を開きます。政策金利は現行の0.10%に据え置かれそうです。また、7月の前回会合で決定した資産購入プログラムの縮小を予定通りに実施するのかどうかに注目です。プログラムの規模縮小の決定を撤回した場合、豪ドル安材料になる可能性があります。

4日にNZの4-6月期雇用統計が発表されます。RBNZ(NZ中銀)は8月18日に利上げに踏み切るとの観測が市場にはあります。NZの雇用統計が良好な結果になれば、利上げ観測が一段と高まり、NZドルは堅調に推移しそうです。

トルコリラは3日のCPI(消費者物価指数)が材料になりそうです。本稿執筆時点で市場予想は前年比18.70%と、上昇率は6月の17.53%から加速するとみられています。TCMB(トルコ中銀)は「政策金利はインフレ率(CPI上昇率)より上の水準に設定する」との方針を示しているものの、エルドアン・トルコ大統領がTCMBに対して利下げ圧力を加えるなかで利上げするのは困難と考えられます。

7月のCPI上昇率がTCMBの政策金利(19.00%)を上回る結果になれば、市場の関心はTCMBの対応へと向かう可能性があります。「TCMBは利上げできない」との見方が市場で高まる場合、トルコリラ/円は下押しするかもしれません。

今週の注目通貨ペア①:<豪ドル/NZドル 予想レンジ:1.04000NZドル~1.07000NZドル>

3日のRBA(豪中銀)の政策会合では、政策金利は現行の0.10%に据え置かれそうです。

一方で、シドニーで6月下旬からロックダウン(都市封鎖)が行われており(8月28日までの予定)、その影響によって豪州の景気回復は今後弱まるとみられます。そのため、RBAは今回の会合で債券買い入れプログラムを縮小するとの決定を撤回する可能性があります。RBAは7月6日の前回会合で「9月から国債の買い入れペースを現在の週50億豪ドルから40億豪ドルへと減額する」と決定しました。

債券買い入れプログラムの縮小の決定が撤回された場合、豪ドルにとってマイナス材料と考えられます。また、RBAの声明の中で豪景気の先行きについて慎重な見方が示されれば、豪ドル/NZドルは軟調に推移しそうです。豪ドル/NZドルの目先の下値メドとして、1.04198NZドル(20/12/1安値)が挙げられます。

今週の注目通貨ペア②:<カナダドル/円 予想レンジ:85.000円~89.000円>

カナダドル/円は7月30日に約2週間ぶりの高値をつけました。足もとのカナダドル/円上昇の背景として、原油価格が持ち直していることが挙げられます。原油価格の代表的な指標である米WTI原油先物は7月20日に一時1バレル=65ドル台前半へと下落したものの、その後上昇に転じ、30日には一時74ドル台と、約2週間ぶりの高値を記録しました。

原油価格が引き続き堅調に推移すれば、カナダドル/円は底堅い展開が想定されます。

また、米国と同じ6日にカナダの7月雇用統計が発表されます。雇用統計が市場予想よりも良好な結果になれば、「BOC(カナダ中銀)は量的緩和をさらに縮小する」との観測が市場で一段と高まる可能性があります。その場合、カナダドル/円の支援材料となりそうです。本稿執筆時点でカナダの雇用統計の市場予想は失業率が7.3%、雇用者数は前月比15.00万人増です。

カナダドル/円は目先、85.411円(4/21安値)が下値メド、上値は90日移動平均線(8/2時点で88.793円)がメドです。

八代和也
マネ―スクエア シニアアナリスト
配信元: 達人の予想