【IRアナリストレポート】カーブスホールディングス(7085)

著者:鈴木 行生
投稿:2021/07/30 11:15

~女性専用からメンズやオンラインへ新たなサービスを展開~

【ポイント】
・カーブスの顧客は高齢層が多いので、ワクチン接種が早めに進行している。休会していた会員も戻っている。今2021年8月期の下期は、新規の会員獲得に力を入れている。

・新型コロナウイルスの影響は大幅に改善し、今期の1Q(9~11月)は赤字が大幅に縮小し、2Q、3Qは黒字を確保した。ビジネスの持続性には全く問題なく、ポストコロナに対応した戦略遂行で、次の成長に備えようとしている。

・カーブスの店舗は、月額課金の仕組みではあるが、休業期間の会費は返還し、FC店への休業補償も行った。この負担が一時厳しいものとなったが、昨年6月からは順次営業が本格化し、休業補償も概ね終了している。会員の特別休会は3月で終了した。今回の緊急事態宣言も、カーブスへの直接的な休業や時短要請はないので、十分乗り切れよう。

・今期の営業利益計画を当初の10億円から13億円へ上方修正し、今回15億円に再修正した。配当も3円から4円に引き上げる。下期は新規会員獲得に向けてマーケティングに先行投資を行っている。この効果で、来期は一段と回復テンポが上がってこよう。

・カーブスHDは、コシダカHDからスピンオフし、昨年3月に東証1部に上場した。マネジメントは、経営を分けた方が互いの成長力を高められると判断した。独立したカーブスは、増本社長のリーダーシップのもと、主力事業を軸に、オンラインカーブスやメンズ・カーブスで第2の成長を目指す。

・オンラインの「おうちでカーブス」は昨年9月からトライし、4月から本格的にマーケティングを開始した。5月末のオンライン会員は1.3万人である。また、5月に青森県で「メンズ・カーブス八戸ラピア」がオープンし、7店目となった。女性向けの立地と連携しているので、立ち上げは順調である。

・カーブスは、ビジネスモデルを見直している。国内の会員は、リモートも含めて5~6年後で135万人をめざす。パイはかなり大きくなるので、中長期的な成長は十分期待できよう。会員数と業績の回復ピッチに注目したい。

目 次
1.特色 女性専用フィットネスがキャッシュカウ
2.強み 米国カーブス総本部の買収後、スピンオフで分離独立
3.中期経営方針 メンズ・カーブスへ多様化し、オンラインサービスも開始
4.当面の業績 コロナショックは克服へ
5.企業評価 新たな会員の獲得に向けて

カーブスホールディングス <7085>
企業レーティング
株価
(2021年7月29日)
833円
時価総額 782億円
(93.85百万株)
PBR 8.81倍
ROE 10.7%
PER 82.5倍
配当利回り 0.5%
総資産 36488百万円
純資産 8871百万円
自己資本比率 24.3%
BPS 94.5円
(百万円、円)
決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益 EPS 配当
2018.8 27937 5095 5293 3488 37.4 32.0
2019.8 28036 5436 5242 3706 39.5 31.8
2020.8 25082 1167 1165 764 8.7 5.0
2021.8(予) 24400 1500 1590 950 10.1 4.0
2022.8(予) 28000 2500 2400 1550 16.5 8.0
2023.8(予) 32000 4000 3900 2500 26.6 13.0

(2021.5ベース)
(注)ROE、PER、配当利回りは直近予想ベース。2020年2月末にコシダカHDよりスピンオフし、3月2日に上場。2019.8期以前のEPS、配当は修正ベース。2020.8期の配当は、上場記念配2.0円を含む。
 
企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。

レポート全文はこちらから
http://www.belletk.com/ka-busu202107.pdf
 

(開示)日本ベル投資研究所は、スピンオフに関する実態と手続きの詳細を分析するために、当社株式1000株を中長期的に所有している。〔アナリストレポートの原則についてはこちら

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配信元: みんかぶ株式コラム

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