~ワッツブランドの本格展開に続き、次なる事業再構築へ~
【ポイント】
・ワッツは、音通から100円ショップ事業約140店を買収する方向で基本合意した。成立すれば、10月から連結に入ってこよう。年商90億円、のれんの償却を入れても、2年後には営業利益でプラスに持っていけよう。かつて音通から北海道の100円ショップを譲受して再生させた経験もあり、収益力の向上は十分期待できる。
・2021年8月期の3Q累計の業績は極めて好調であった。コロナショックのプラス効果が前期の業績に大きく寄与したが、今期も当初計画より既存店が順調に推移している。100円以外の高額商品も貢献している。生活雑貨に特化し、スーパーなどの委託販売に強みを持つことが、引き続き巣ごもり消費をうまく取り込んでいる。
・高額商品(200~1000円)の品揃えがプラスに働いている。売れ筋を見極めつつ、PB(プライベートブランド)化を進めており、100円ショップの付加価値は高まる方向にある。今後数年は、この効果が業績を牽引しよう。高額商品の売上比率は、3Qで7%弱まで来ている。間もなく10%へ近づこう。
・一方で、コロナショックのマイナス面が、海外事業とファッション雑貨事業に出ており、ここの克服が課題である。海外は状況が落ち着いてくれば、卸売りを中心に事業を回復させることができよう。国内では、北欧雑貨ソストレーネ・グレーネから撤退、前期に事業整理損失引当金をとり、今年3月ですべて閉店した。ブォーナ・ビィータは引き続き黒字化を目指して見直しを進めている。
・今後の経営方針は、1)委託販売を一段と強化していく、2)ファッション雑貨事業の見直しを引き続き進める、3)海外は卸売を中心に継続を図る、という展開になろう。当社の強みを強化するという戦略である。
・主力の100円ショップ業界は競争が激化しており、同質化すると下位は不利になる。小回りのきく店舗展開で優位性を発揮しつつ、プライム市場への条件クリアも含めて、次の構造改革に手を打っていく。来期はM&Aの初期負担があるとしても、2年後には増益に転換しよう、その水準に注目したい。
目 次
1.特色 規模では業界4位ながら、小回りがきく存在
2.強み 迅速な出退店と独自の店舗オペレーションで収益を確保
3.中期経営方針 ワッツブランドをベースに高付加価値化を推進、M&Aも実行
4.当面の業績 コロナショックのプラス効果は一巡ながら、増益基調を確保
5.企業評価 収益源の多様化に挑戦中
企業レーティング | B |
---|---|
株価 (2021年7月26日) |
942円 |
時価総額 | 131億円 (13.958百万株) |
PBR | 1.12倍 |
ROE | 10.2% |
PER | 11.0倍 |
配当利回り | 2.3% |
総資本 | 21755百万円 |
純資産 | 11270百万円 |
自己資本比率 | 51.8% |
BPS | 841.2円 |
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 | EPS | 配当 |
---|---|---|---|---|---|---|
2013.8 | 41725 | 2074 | 2075 | 1123 | 88.6 | 17.0 |
2014.8 | 43573 | 1784 | 1799 | 948 | 70.0 | 17.0 |
2015.8 | 44462 | 1257 | 1263 | 700 | 51.7 | 17.0 |
2016.8 | 46176 | 1205 | 1193 | 718 | 53.0 | 15.0 |
2017.8 | 47494 | 1209 | 1272 | 839 | 62.0 | 15.0 |
2018.8 | 49480 | 1000 | 1037 | 633 | 46.8 | 15.0 |
2019.8 | 51399 | 716 | 656 | 70 | 5.3 | 10.0 |
2020.8 | 52795 | 1768 | 1731 | 774 | 57.8 | 15.0 |
2021.8(予) | 51000 | 1850 | 1780 | 1150 | 85.8 | 22.0 |
2022.8(予) | 60000 | 1800 | 1750 | 1100 | 82.1 | 22.0 |
2023.8(予) | 64000 | 2200 | 2150 | 1400 | 104.5 | 24.0 |
(2021.5ベース)
(注)ROE、PER、配当利回りは今期予想ベース。2013年3月1日で1:2の株式分割。それ以前のEPS、配当は修正ベース。2013.8期、2014.8期の配当は、東証2部、1部への変更記念配2円、2015.8期の配当は創業20周年の記念配2円を含む。
企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。
レポート全文はこちらから
http://www.belletk.com/waltutu202107.pdf
関連銘柄
銘柄 | 株価 | 前日比 |
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(15:30)
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