―「半導体製造装置」「再生エネ」「EV」「アフターコロナ」に妙味膨らむ―
2021年の株式市場は7月から後半戦に突入した。2月には日経平均株価が30年半ぶりに3万円台を回復したが、その後は高値波乱状態。足もとでは2万7000円台へと調整している。米国のテーパリング(量的緩和縮小)に向けての警戒感や新型コロナウイルスの感染再拡大懸念が、相場の警戒要因となっている。しかし、新型コロナワクチン接種の効果による経済回復が期待でき、世界景気は成長基調をたどるとの期待は強い。年後半相場の牽引役を果たすのは、 「半導体製造装置」「再生可能エネルギー」「電気自動車(EV)」 「アフターコロナ」の主力4テーマだ。そこで各テーマのポイントと注目3銘柄を紹介する。第3回は「EV」を取り上げる。
(3)【電気自動車(EV)】
EU新方針で世界的なEVシフト更に加速へ
欧州連合(EU)は7月14日、35年にハイブリッド車(HV)を含むガソリン・ディーゼル車の販売を事実上禁止する方針を発表した。日本でも、35年までに新車販売に占める電動車(電気自動車、燃料電池自動車、プラグインハイブリッド自動車、ハイブリッド自動車)の割合を100%にする目標を掲げているが、EUはハイブリッド車も禁止にしたことで、メーカー各社は戦略の見直しを迫られることになり、世界的にもEVシフトが加速しよう。
●関東電化工業 <4047> ~リチウムイオン電池用電解質大手
同社は、無機・有機化学薬品などの基礎化学品事業や、フッ素系ガス及び電池材料などの精密化学品事業を展開しており、車載向けなど リチウムイオン電池用電解質の六フッ化リン酸リチウムの大手。21年3月期は上期の落ち込みをカバーできず営業減益となったが、下期からは精密化学品事業が回復に転じている。22年3月期は半導体・液晶用特殊ガス類の堅調持続やリチウムイオン電池用電解質の回復で営業利益70億円(前期比23.5%増)を見込む。
●黒田精工 <7726> [東証2]~EV向け高効率モーターコアに注目
EV向け高効率モーターコアのスペシャリスト。独自に開発した金型内接着積層工法「Glue FASTEC」を用いて製造したモーターコアは、優れた電磁気特性によりモーターのエネルギー損失を低減させるほか、モーター製造時の生産性向上などのメリットがあることから、国内外で案件が活発化している。26年3月期に売上高230億円(21年3月期132億8900万円)、営業利益20億円(同3億6200万円)を目指す中期経営計画にも注目。
●日本電解 <5759> [東証M]~車載電池用銅箔トップ
EVなどに搭載するリチウムイオン電池に使われる電解銅箔の専業メーカー。同社の製品は一般の銅箔に比べて引っ張り強さが1.5倍以上あるとされ、リチウムイオン電池に使う銅箔を薄くすることで、EVの航続距離をより延ばすことができるという。車載電池用銅箔の国内シェアは20年時点で56%、北米では40%に達し、グローバルでEV市場拡大の恩恵を受ける。また、車載電池用銅箔以外にも5G基地局向け銅箔などの成長も期待でき、中期成長力に注目だ。
株探ニュース
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