■業績動向
1. 2021年3月期の業績概要
ジェイリース<7187>の2021年3月期の連結業績は、売上高で前期比12.7%増の7,601百万円、営業利益で前期比506.8%増の943百万円、経常利益で前期比759.9%増の911百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で552百万円(前期は24百万円)となり、売上高及び各利益で過去最高を更新した。
売上面では、主力の保証関連事業が順調に成長した。売上構成の78%を占める住居用保証料は、前期比11%前後(弊社試算)の増加となった。コロナ禍においても入居需要は底堅く推移しており、少子高齢化や晩婚化の進行による単身世帯の増加及び2020年4月に施行された改正民法による連帯保証人の保証限度額設定の義務化等により、家賃債務保証に対する需要は堅調である。新規契約の獲得に加え、既存契約からの継続保証料等も順調に推移した。一方、売上構成の22%を占める事業用保証料は、同21.9%と住居用保証料より一層成長した。事業用賃貸借契約における保証契約の利用率は低く、拡大余地が大きいことから同社は、事業用賃料保証を成長分野と見据え、積極的な営業を推進している。コロナ禍において事業用賃貸物件の流動性が増すなか、貸主のリスクマネジメントに対する意識変化も追い風となった。また、営業エリアを全国に拡げ、保証内容を拡充したことも奏功した。
営業利益は前期比788百万円の増加、営業利益率は12.4%(同10.1ポイント上昇)と記録的な増益となった。一因としては、過去2年以上にわたり独自のデータベースを活用して与信審査の強化を行ってきた結果、債権が良質化し貸倒コストが減少したことがある。経営指標では、債権管理業務を強化したことで、代位弁済立替金残高は前期比128百万円減少し、代位弁済発生率は6.3%(前期は7.2%)と低位にコントロールできている。また、代位弁済回収率が98.1%(同97.2%)と上昇したことに対し、従業員数は329名(前期比3名増)・店舗数は28店舗(同3店舗増)であった。なお、販管費は同106百万円減少、販管費率では同9.9ポイント減となり、大幅な増益に寄与した。
自己資本比率は14.8%と前期比6.5ポイント改善。収益回復により財務基盤強化が進む
2. 財務状況と経営指標
2021年3月期末の総資産は前期末比320百万円増の8,154百万円となった。うち流動資産は265百万円増の6,101百万円であり、主な要因は、貸倒引当金が314百万円減少したものの、収納代行立替金が522百万円増加したためである。固定資産は55百万円増と大きな変化はなかった。
負債合計は前期末比234百万円減の6,948百万円となった。うち流動負債は125百万円減の6,738百万円であり、主な要因は短期借入金の500百万円減である。固定負債は108百万円減の210百万円であり、主な要因は長期借入金の60百万円減である。
経営指標(2021年3月期末)では、流動比率が90.6%(前期は85.0%)、自己資本比率が14.8%(前期は8.3%)であり、安全性が改善した。「成長優先路線」から「安定成長路線」に舵が切られ収益性が回復したためであり、今後もさらに財務基盤が強化されることになるだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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1. 2021年3月期の業績概要
ジェイリース<7187>の2021年3月期の連結業績は、売上高で前期比12.7%増の7,601百万円、営業利益で前期比506.8%増の943百万円、経常利益で前期比759.9%増の911百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で552百万円(前期は24百万円)となり、売上高及び各利益で過去最高を更新した。
売上面では、主力の保証関連事業が順調に成長した。売上構成の78%を占める住居用保証料は、前期比11%前後(弊社試算)の増加となった。コロナ禍においても入居需要は底堅く推移しており、少子高齢化や晩婚化の進行による単身世帯の増加及び2020年4月に施行された改正民法による連帯保証人の保証限度額設定の義務化等により、家賃債務保証に対する需要は堅調である。新規契約の獲得に加え、既存契約からの継続保証料等も順調に推移した。一方、売上構成の22%を占める事業用保証料は、同21.9%と住居用保証料より一層成長した。事業用賃貸借契約における保証契約の利用率は低く、拡大余地が大きいことから同社は、事業用賃料保証を成長分野と見据え、積極的な営業を推進している。コロナ禍において事業用賃貸物件の流動性が増すなか、貸主のリスクマネジメントに対する意識変化も追い風となった。また、営業エリアを全国に拡げ、保証内容を拡充したことも奏功した。
営業利益は前期比788百万円の増加、営業利益率は12.4%(同10.1ポイント上昇)と記録的な増益となった。一因としては、過去2年以上にわたり独自のデータベースを活用して与信審査の強化を行ってきた結果、債権が良質化し貸倒コストが減少したことがある。経営指標では、債権管理業務を強化したことで、代位弁済立替金残高は前期比128百万円減少し、代位弁済発生率は6.3%(前期は7.2%)と低位にコントロールできている。また、代位弁済回収率が98.1%(同97.2%)と上昇したことに対し、従業員数は329名(前期比3名増)・店舗数は28店舗(同3店舗増)であった。なお、販管費は同106百万円減少、販管費率では同9.9ポイント減となり、大幅な増益に寄与した。
自己資本比率は14.8%と前期比6.5ポイント改善。収益回復により財務基盤強化が進む
2. 財務状況と経営指標
2021年3月期末の総資産は前期末比320百万円増の8,154百万円となった。うち流動資産は265百万円増の6,101百万円であり、主な要因は、貸倒引当金が314百万円減少したものの、収納代行立替金が522百万円増加したためである。固定資産は55百万円増と大きな変化はなかった。
負債合計は前期末比234百万円減の6,948百万円となった。うち流動負債は125百万円減の6,738百万円であり、主な要因は短期借入金の500百万円減である。固定負債は108百万円減の210百万円であり、主な要因は長期借入金の60百万円減である。
経営指標(2021年3月期末)では、流動比率が90.6%(前期は85.0%)、自己資本比率が14.8%(前期は8.3%)であり、安全性が改善した。「成長優先路線」から「安定成長路線」に舵が切られ収益性が回復したためであり、今後もさらに財務基盤が強化されることになるだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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