先週は、米国株が堅調にも関わらず、新型コロナの感染再拡大で4日連続安
先週の予測では、28500~29500円のボックス圏の中で、29000円を中心としたもみあいを想定するものの、29000円台では上値は重くなるとしました。この理由はワクチン接種が進展しているものの、それ以上にコロナ変異種による感染拡大のスピードが増して、特に東京の感染者が増加しているため、経済停滞の懸念も高まり、外国人投資家の買い手が引いていることがあげられます。又、週後半には米6月雇用統計が控えており様子見ムードにつながりました。
日経平均は、6月21日に27795円まで急落したものの、23日には29007円まで上昇し、週の終値では29066円となって急落前の水準を取り戻しているものの、日足チャートは、いったん三角保ち合いをつくって下放れしているため、再上昇を確認するには75日移動平均線や15日の29480円を上にぬく必要があるとしました。
結果的に先週の動きは、週始めこそ29121円まで上昇して、先週末の終値29066円をスタートに米株式の堅調さや円安基調にもかかわらず4日連続安となり、週末のみ△76円の28783円と反発して引けました。
今週は、買い手控えムードの中、想定したように新型コロナのインド型である「デルタ株」の感染拡大が嫌気され、米株式が堅調だったにもかかわらず下値を探る展開を余儀なくされ、7月1日(木)には、28624円まで下落しました。28500~29500円のボックス圏の中で下限を探る展開となりました。ただ、週末の2日(金)は、値ごろ感から押し目買い優勢となり、5日ぶりに反発に転じ、△76円の28783円でした。同日夜に発表が予定されている米6月雇用統計の結果を見極めたいということから積極的な買いは見送られました。
2日(金)の日本市場の引け後の米国市場では、6月雇用統計で非農業部門雇用者数は予想を上回りましたが、失業率はやや悪化し、賃金の伸び率も予想を下回り、10年債利回りは低下し、ドル・円の前日の111.50円から111.04円に下落しました。その結果、FRBの金融政策の見通しに大きな変化がなかったことで、株式市場は3指標そろって大幅上昇し、S&P500は7日連続の最高値更新、ナスダックも3日ぶりに最高値更新ととなりました。しかし、シカゴの日経先物はわずか△15円の28775円と伸びていませんでした。
今週も様子見続く
今週も先週末の米国市場の6月雇用統計の結果を受けて米国株式は3指標は大きく上昇しており、その中でシカゴの日経先物が伸びていませんので引き続き新型コロナの東京での感染者拡大を嫌気し、上値は重く下値を探る展開が想定されます。
感染者の増加により五輪への警戒感が根強く、外国人が日本株から資金を引き上げる動きにつながっているとの見方もあります。さらに、これまで半導体が買われて日経平均の指数を引き上げていましたが、先週は日経平均の下落率(前週比1.0%)を半導体の代表である東京エレクトロンでは▲4.2%、アドバンテストで▲4.4%と値下がりしており、調整懸念が出ています。又、今週は日経平均やトピックスなどの指数連動型ETFの決算日に絡む分配金の捻出売りも想定されており、上値は重くなるといえます。日本株式の上昇は、7月下旬から本格化する日本企業の決算内容次第となりますので、もうしばらく我慢が必要と思われます。好業績銘柄の大きく下がったところを少しづつ買い下がっていくいことになります。
本日5日(月)は、寄り付きから売りが先行し、前週末の米国株式市場では、主要3指数がそろって最高値を更新したものの、東京を中心に新型コロナの感染再拡大への懸念などが重しとなり、株価指数先物に断続的な売りが出て、一時28581円まで下落しました。その後も戻りは限定的で再び上値が重くなり大引けにかけて安値圏で推移し、本日5日の米国市場が休場ということもあり、手控えムードとなり、ソフバンクとファーストリテイリングの2銘柄で約148円押し下げ、▲185円の28598円で引けました。
(指標)日経平均
先週の予測では、日本市場は新型コロナの感染者の拡大が懸念され上値は重く、29000円水準でのもみあいとなりそうだとしました。
結果的には、米国株式の上昇にもかかわらず懸念は東京の感染者の再拡大へ目が向き、週始めの29121円(終値では29048円)をピークに、7月1日(木)に28624円の安値をつけて、4日連続安となりました。週末こそ米株高、円安もあり反発しましたが、△76円の28783円で終りました。
引け後の米国市場では、6月雇用統計は強い結果となって米国株式は大きく上昇しましたが、シカゴの日経先物は△15円の28775円となっており、今週の日経平均の弱さを暗示しています。
現状の日米の動きをみる限り、米国株の上昇に日経平均は連動していません。やはり新型コロナの感染拡大が東京で止まりませんので経済正常化が遅れるとの見方が相場を押し下げているといえます。
特に今週は、日経平均やトピックスなどの指数連動型ETFの決算に絡む分配金の捻出売りが想定され、上値が重い状況が続いています。さらに米国では、7月4日の独立記念日(5日まで3連休)を境にバカンス休暇の準備に入るとされており、外国人投資家がポジション調整に動く可能性もあります。28000~29000円のレンジの中で28500円中心に下値を探る展開が想定されます。
(指標)NYダウ
先週の予測では、18日(金)、21日(月)の急落、急騰をみると、原因は利上げ観測というより、18日のメジャーSQにあったとみられ、一時的なものであったため、改めて需給相場を背景に上に動き出したとしました。日足では、いったん下放れになっているため、S&P500やナスダックと同様に最高値更新するためには6月7日の34820ドルを終値で上回る必要があるとしました。先週はS&P500は7日連続の最高値更新となっており、NYダウも徐々に上値を戻す動きとなって週末の7月2日(金)は、△152ドルの34786ドルまで上昇しました。
先週末の6月雇用統計は、予想を上回る強い結果となったものの、失業率や賃金の伸びは予想を下回ったことで、FRBの金融政策で早期の金融緩和縮小は後退し、長期金利が低下したことで、株価は3指標そろって上昇となりました。NYダウも6月7日の34820ドルを終値で超えてくると史上最高値に再挑戦することになります。
(指標)ドル/円
●先週の動き…民間部門の雇用拡大でドル高へ
6月29日発表の6月CB消費者信頼感指数や30日発表の6月ADP雇用統計が市場予想を上回る伸びを受け、リスク選好的なドル買い・円売りとなり、7月1日のフィラデルフィア連銀総裁が「今年の終りにテーパリング開始を支持する」と述べたことで、111.60円まで買われる場面もありましたが、2日(金)は6月雇用統計の発表で雇用者数は伸びたが失業率は増加したことでインフレ加速懸念は後退し、111.04円で引けました。
●今週の見通し…FOMC議事録を手掛かりにドルは底堅い動きか
111円台後半から112円近辺までに利益確定売りを狙ったドル売り圧力があります。しかし、ドル・円は111円近辺で底堅い動きが想定され、7月7日のFOMCの議事録で量的緩和策の早期縮小について肯定的な見方が多くみられる場合は、リスク回避のドル売り・円買いが後退し、ドルが買われて112円台水準が意識されます。
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