■業績動向
1. 2021年9月期第2四半期の業績概要
(1) 損益状況
アイナボホールディングス<7539>の2021年9月期第2四半期の連結業績は、売上高34,167百万円(前年同期比4.1%減)、営業利益1,570百万円(同1.2%増)、経常利益1,657百万円(同0.7%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益1,056百万円(同0.3%減)となった。
営業利益の増減を分析すると、減収による売上総利益の減少が192百万円、コロナ禍の影響による販管費の減少が211百万円であった。その結果、営業利益は前年同期比で18百万円増加した。経費の減少により増益を確保した決算であり、厳しい結果だったとも言える。
(2) セグメント別状況
セグメント別及びサブセグメント別状況は以下のとおり。
a) 戸建住宅事業
戸建住宅事業の売上高は29,096百万円(前年同期比2.5%減)、セグメント利益は1,538百万円(同0.4%増)となった。サブセグメント別の売上高は、外壁工事が7,572百万円(同1.1%減)、住設工事が8,719百万円(同0.3%減)、建材販売6,810百万円(同8.8%減)、住設販売が5,994百万円(同0.0%減)であった。すべてのサブセグメントで減収となったが、新築の住宅着工が低調だったことが響いた。特に建材販売の落ち込みが大きかったが、自社ブランド品を含めたタイルの不振が主な要因となっている。セグメント利益は、製品構成の変化によって利益率が改善したこと、コロナ禍の影響による販管費の減少などがあり、微増益となった。
b) 大型物件事業
大型物件事業の売上高は5,070百万円(同12.4%減)、セグメント利益は634百万円(同6.9%減)となった。サブセグメント別売上高では、タイル販売・工事が1,717百万円(同26.8%減)、住設販売・工事が3,353百万円(同2.6%減)となった。特にタイル販売・工事の落ち込みが大きかったが、これはオリンピック関連等の長期(大型)案件がほぼ2020年9月期に完工したことなどによる。住設販売・工事も苦戦したが、空調関連工事は堅調であった。これらの案件は比較的採算が良かったこともあり利益率が改善し、減収率に比べて減益率は小さかった。
(3) 事業会社別業績
各事業会社の業績は次のとおり。主力子会社である(株)アベルコはコロナ禍の影響もあり減収であったが、利益率の改善により営業利益はほぼ前年同期並みを確保した。主に中部地区を地盤とする(株)インテルグローの売上高は横ばいであったが、好採算案件の完工もあり利益は増加した。温調技研(株)(主に首都圏を中心に公共施設向けの空調リニューアル等を行う)の業績は前年同期比では堅調であったが、予算は下回った。また関西圏を地盤とする(株)今村は、コロナ禍の影響でホテル向け案件(水回り等)が低調に推移したことなどから減益となった。
(4) 重点課題の達成状況
同社が「重点課題」としている各課題の達成状況については次のとおり。
注力しているサイディング及びサイディングプレカットについては、前年同期比の伸びはそれぞれ11.8%増、14.3%増と順調に拡大しており通期で目標達成の可能性は高いとしている。非住宅は2021年9月期から重点課題に加えたもので、住宅以外の施設や店舗向けの案件を扱う。通期目標である売上高1,500百万円の進捗率は50.3%で順調に進行している。サッシについては、サッシ支店(住宅ではなく中小ビルや施設向けの営業部隊)を含めて前年同期比では21.2%増と伸びているが、通期目標の進捗率は34.2%と目標に対してはやや遅れていると言える。
ブランド事業については、期待されたほど伸びてはいない。特に利益率が高い高級タイル「マリスト」が、コロナ禍の影響を受けた飲食店やイベント施設から工事の延期や中止により前年同期比34.6%減と、コロナ禍の影響を最も受けた事業となった。また分社化した(株)アルティスが扱う高級浴槽「アルティス」もコロナ禍の影響で同19.4%減と低迷している。新規顧客開拓については、両事業とも件数はコロナ禍の影響下において微増となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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1. 2021年9月期第2四半期の業績概要
(1) 損益状況
アイナボホールディングス<7539>の2021年9月期第2四半期の連結業績は、売上高34,167百万円(前年同期比4.1%減)、営業利益1,570百万円(同1.2%増)、経常利益1,657百万円(同0.7%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益1,056百万円(同0.3%減)となった。
営業利益の増減を分析すると、減収による売上総利益の減少が192百万円、コロナ禍の影響による販管費の減少が211百万円であった。その結果、営業利益は前年同期比で18百万円増加した。経費の減少により増益を確保した決算であり、厳しい結果だったとも言える。
(2) セグメント別状況
セグメント別及びサブセグメント別状況は以下のとおり。
a) 戸建住宅事業
戸建住宅事業の売上高は29,096百万円(前年同期比2.5%減)、セグメント利益は1,538百万円(同0.4%増)となった。サブセグメント別の売上高は、外壁工事が7,572百万円(同1.1%減)、住設工事が8,719百万円(同0.3%減)、建材販売6,810百万円(同8.8%減)、住設販売が5,994百万円(同0.0%減)であった。すべてのサブセグメントで減収となったが、新築の住宅着工が低調だったことが響いた。特に建材販売の落ち込みが大きかったが、自社ブランド品を含めたタイルの不振が主な要因となっている。セグメント利益は、製品構成の変化によって利益率が改善したこと、コロナ禍の影響による販管費の減少などがあり、微増益となった。
b) 大型物件事業
大型物件事業の売上高は5,070百万円(同12.4%減)、セグメント利益は634百万円(同6.9%減)となった。サブセグメント別売上高では、タイル販売・工事が1,717百万円(同26.8%減)、住設販売・工事が3,353百万円(同2.6%減)となった。特にタイル販売・工事の落ち込みが大きかったが、これはオリンピック関連等の長期(大型)案件がほぼ2020年9月期に完工したことなどによる。住設販売・工事も苦戦したが、空調関連工事は堅調であった。これらの案件は比較的採算が良かったこともあり利益率が改善し、減収率に比べて減益率は小さかった。
(3) 事業会社別業績
各事業会社の業績は次のとおり。主力子会社である(株)アベルコはコロナ禍の影響もあり減収であったが、利益率の改善により営業利益はほぼ前年同期並みを確保した。主に中部地区を地盤とする(株)インテルグローの売上高は横ばいであったが、好採算案件の完工もあり利益は増加した。温調技研(株)(主に首都圏を中心に公共施設向けの空調リニューアル等を行う)の業績は前年同期比では堅調であったが、予算は下回った。また関西圏を地盤とする(株)今村は、コロナ禍の影響でホテル向け案件(水回り等)が低調に推移したことなどから減益となった。
(4) 重点課題の達成状況
同社が「重点課題」としている各課題の達成状況については次のとおり。
注力しているサイディング及びサイディングプレカットについては、前年同期比の伸びはそれぞれ11.8%増、14.3%増と順調に拡大しており通期で目標達成の可能性は高いとしている。非住宅は2021年9月期から重点課題に加えたもので、住宅以外の施設や店舗向けの案件を扱う。通期目標である売上高1,500百万円の進捗率は50.3%で順調に進行している。サッシについては、サッシ支店(住宅ではなく中小ビルや施設向けの営業部隊)を含めて前年同期比では21.2%増と伸びているが、通期目標の進捗率は34.2%と目標に対してはやや遅れていると言える。
ブランド事業については、期待されたほど伸びてはいない。特に利益率が高い高級タイル「マリスト」が、コロナ禍の影響を受けた飲食店やイベント施設から工事の延期や中止により前年同期比34.6%減と、コロナ禍の影響を最も受けた事業となった。また分社化した(株)アルティスが扱う高級浴槽「アルティス」もコロナ禍の影響で同19.4%減と低迷している。新規顧客開拓については、両事業とも件数はコロナ禍の影響下において微増となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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