NYコラム(25日)ダウ平均は買い先行で取引スタートへー5月PCEコア・デフレーターは市場予想と一致

著者:加藤裕一
投稿:2021/06/25 22:11

NY株式市場(25日)ダウ平均は寄り付きで3万4300ドル台を回復か⁈ー好決算のナイキに注目

25日のニューヨーク株式市場でダウ平均は、買い先行で取引が始まりそうだ。

米連邦準備理事会(FRB)が重視する物価指標として注目されていた5月のPCE(個人消費支出)デフレーター(前年同月比+3.9%)とコア・デフレーター(前年同月比+3.4%)は、いずれも市場予想と一致したことから、これまでのところFRBによる利上げの前倒し観測は高まっていないようだ。PCEの発表を受けて米国10年債利回りが低下していることも追い風となりそう。ダウ平均は寄り付きで前日の日中高値(3万4233ドル)を上抜けて節目の3万4300ドル台を試す局面が見られよう。


個別銘柄では、前日の夕方に好調な3~5月期決算を発表したナイキが、時間外取引で堅調に推移しており、ダウ平均を下支えしそうだ。

ただ、ニューヨーク株式市場は、連日で過去最高値を更新したハイテク株中心に利益確定売りをこなす必要があるほか、週末要因も重なって一段と上値を追うには慎重にならざるを得ない相場環境となりそう。ダウ平均は、チャート分析上で一目均衡表の雲の上限である先行スパン1(3万4282ドル)を捉えきれるかどうか、買い意欲の強さが試されそうな一日となる。

加藤裕一
米国株ストラテジスト
配信元: 達人の予想