今週のポイント
TCMB(トルコ中銀)は17日に政策会合を開きます。会合では政策金利の据え置きが決定されそうです。「TCMBは21年7-9月期に利下げを開始する」との観測も市場にはあり、声明の内容がその観測を高めるものになれば、トルコリラ/円には下押し圧力が加わりそうです。
TCMB会合と同じ17日に、豪5月雇用統計が発表されます。RBAは金融政策運営において雇用情勢を注視する姿勢を示しているため、5月雇用統計の結果は7月6日のRBA(豪中銀)政策会合における重要な判断材料になると考えられます。
カナダドル/円については、原油価格(米WTI原油先物など)のほか、16日のカナダの5月CPI(消費者物価指数)に注目です。それが市場予想(本稿執筆時点で前年比3.5%)を上回る結果になれば、BOC(カナダ中銀)は7月14日の次回会合で量的緩和を一段と縮小するとの観測が補強されそうです。その場合、カナダドル/円は堅調に推移する可能性があります。
今週の注目通貨ペア①:<豪ドル/円 予想レンジ:83.900円~85.200円>
豪州の5月雇用統計が17日に発表されます。本稿執筆時点で市場予想は失業率が5.5%、雇用者数が前月比3.00万人増です。
RBA(豪中銀)は7月6日の次回会合で、“債券購入プログラム第2弾(1000億豪ドル規模)が9月に終了した後の債券買い入れをどうするか”などを検討する予定。雇用統計が市場予想よりも良好な結果になれば、債券購入プログラムの規模を縮小するとの観測が市場で高まる可能性があります。その場合、豪ドル/円は上値を試す展開になりそうです。豪ドル/円の目先のメドとして、上値が85.116円(6/2高値)下値は83.936円(5/24安値)が挙げられます。
今週の注目通貨ペア➁:<トルコリラ/円 予想レンジ:12.200円~13.400円>
バイデン米大統領とエルドアン・トルコ大統領は14日、NATO(北大西洋条約機構)首脳会議の合間に会談する予定です。本稿執筆時点で会談はまだ行われていませんが、会談が両国の関係改善への期待を高めるものになれば、トルコリラ/円のサポート要因になりそうです。
17日のTCMB(トルコ中銀)会合では、政策金利の19.00%への据え置きが決定されそうです。トルコの5月CPI(消費者物価指数)は前年比16.59%と、上昇率は前月の17.14%から鈍化したものの、資源価格の上昇やトルコリラ安の影響によって、CPI上昇率は今後も高止まりするとみられるからです。
市場では、「TCMBの次の一手は利下げ」との見方が大勢。ただ、利下げ開始の時期については、21年10-12月期との見方がある一方、エルドアン大統領が利下げを要求していることから、7-9月期との見方もあります。
前回5月6日の会合時の声明では、金融政策について「インフレ率の大幅な低下が達成されるまで、現在の金融政策スタンスを維持する」とし、「強力なディスインフレ効果を維持するため、政策金利は引き続きインフレ率を上回る水準に設定する」との方針が示されました17日のTCMBの声明が早期の利下げ観測を高める内容へと変化すれば、トルコリラ/円は下押ししそうです。
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