＜注目銘柄＞＝兼松、ＩＴシフト追い風に好業績・好財務見直しへ

　兼松<8020.T>は今月１３日のザラ場安値１４０１円で目先の底値を確認、戻りトレンドに転じつつある。直近では５日・２５日移動平均線のゴールデンクロスを示現する一方、日足一目均衡表の雲抜けが目前に迫っており、ここは追撃買いで妙味がある。

　総合商社で東証１部の中でも老舗といってよい同社だが、最近は電子デバイス関連の取り扱いに重心を置き利益率を向上させている。連結子会社に電子機器を取り扱うＩＴベンダーの兼松エレクトロニクス<8096.T>を擁し、企業のリモートワーク導入加速などＩＴシフトに伴う特需を享受している。また、最近の資源価格上昇を背景にエネルギー事業が堅調で、食料も内食需要の拡大や市況好転の影響から追い風が顕著だ。

　２２年３月期は売上高が前期比８％増の７０００億円、営業利益が同１９％増の２８０億円を見込んでいる。自己資本比率が高く財務の安定性は折り紙付きで、４％前後の高配当利回りも見直される可能性が高い。（桂）

出所：MINKABU PRESS