今週のポイント
13日にBOM(メキシコ中銀)の政策会合が開かれます。政策金利は据え置かれるとみられ、声明でBOMの金融政策の先行きについて新たな手掛かりが提供されるか否かに注目です。
BOC(カナダ中銀)の金融政策見通しに支えられ(後述)、カナダドル/円は堅調に推移しています。この状況は当面続くかもしれません。
豪ドルやNZドルは、米長期金利や主要国株価の動向に影響を受けやすい状況になるとみられます。長期金利が低下し、また主要国株価が堅調に推移すれば、豪ドルやNZドルは対米ドルや対円で上値を試す展開になりそうです。
6日のTCMB(トルコ中銀)の政策会合が終わったことで、トルコリラは独自材料で動きにくいかもしれません。ただし、エルドアン大統領の言動(TCMBの金融政策に関する発言など)には、注意が必要です。
今週の注目通貨ペア①:<カナダドル/円 予想レンジ:88.400円~91.600円>
カナダドル/円は先週(5/3- )、2018年1月以来、3年4カ月ぶりの高値をつけました。
足もとのカナダドル/円上昇の背景として、BOC(カナダ中銀)が4月21日の政策会合で、米FRBやECBなどに先駆けて量的緩和の縮小を決定し、また早ければ来年後半にも利上げする可能性を示したことが挙げられます。また、原油など資源価格が堅調に推移していることも、カナダドルの追い風となっています。
カナダの4月雇用統計(7日発表)は失業率が8.1%、雇用者数が前月比マイナス20.71万人と、市場予想(7.8%、マイナス17.5万人)よりも弱い結果でした。今回の雇用の落ち込みは、オンタリオ州でのロックダウン(都市封鎖)の影響が大きいとみられます。
雇用統計の発表後にカナダドル/円は下落したものの、その後持ち直しており、本稿執筆時点では雇用統計後の下げ幅をほぼ消しています。雇用の落ち込みは一時的なものと、市場は見なしたのかもしれません。
BOCの金融政策見通しに支えられ、カナダドル/円は引き続き堅調に推移しそうです。91.540円(2018/1高値)に向かって上昇する可能性があります。
今週の注目通貨ペア➁:<メキシコペソ/円 予想レンジ:5.300円~5.600円>
13日、BOM(メキシコ中銀)が政策会合を開きます。その結果がメキシコペソ/円の相場材料になる可能性があります。
政策金利は現行の4.00%に据え置かれそうです。メキシコの4月CPI(消費者物価指数)は前年比6.08%と、3年4カ月ぶりの強い伸びを記録しました。ただし、今回のCPI上昇率の加速は比較対象である昨年同時期のコロナ・ショックに伴う原油安によるベース効果が大きいと考えられます。原油安の影響が今後薄れるにつれて、CPI上昇率はBOMの許容レンジ内へと低下していくとみられるからです。
政策金利が据え置かれた場合、声明の内容に注目。市場では、BOMは政策金利を当面据え置きつつも、次の一手は「利上げ」との観測があります。
声明でインフレを警戒する姿勢が示されれば、利上げ観測が高まってメキシコペソ/円は堅調に推移しそうです。
また、メキシコペソは原油価格(米WTI原油先物など)の動向にも影響を受けやすいという特徴があります。原油価格が上昇を続ければ、メキシコペソ高材料になる可能性があります。
メキシコペソ/円の目先のメドとして、下値が5.349円(3/18高値)、上値は5.592円(2020/3高値)が挙げられます。
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