■Abalance<3856>の会社概要
3. 事業内容
同社グループは、グリーンエネルギー事業と新たに加わった太陽光パネル製造事業を両輪に、グリーンエネルギーの総合カンパニーを形成している。2021年6月期第2四半期累計の事業セグメント別構成比で見ると、グリーンエネルギー事業が売上高の21.6%、セグメント利益の49.0%を占め、また太陽光パネル製造事業が売上高の75.7%、セグメント利益の53.2%占めている。
(1) グリーンエネルギー事業
同社グループでは、ソーラー発電に関する企画・開発から施工、O&M※1までを一貫して行う垂直統合型のワンストップソリューションを展開。近年では、低圧案件を含めて発電所の自社保有化を推進している。ソーラーパネル及び関連商材(パワーコンディショナ、蓄電池等)の仕入販売やソーラー発電所の売買(中古案件含む)、自社運営による売電等も行い、またエネルギー需要が旺盛な東南アジア圏や台湾などで現地企業との合弁等により、EPC事業※2やIPP事業※3なども行っている。
※1 O&M(オペレーション&メンテナンス):太陽光発電設備等の保守・管理サービス。データ解析を含む日常的な発電状況の把握及び監視、並びに定期点検を通じた設備性能の維持、事故の早期発見、部品・機器の交換等を適時実施している。
※2 EPC事業とは、設計(Engineering)、調達(Procurement)、建設(Construction)を含む、プロジェクトの建設工事請負事業のこと。
※3 IPP(Independent Power Producer)事業とは、自らが所有する発電設備で作った電力を電力会社に卸売する事業を指す。
顧客は、ソーラー発電所を保有する国内外のIPP事業者のほか、住宅用ソーラーパネル及び関連商材の卸販売や一般事業会社及び公共施設等(ソーラーパネル設置工事)で、BtoBビジネスに属する。ソーラーパネルは、自社ブランド「Maxar®(マクサ)」を販売している。マクサブランドのパネルは性能、価格面ともに大手中国メーカー製と遜色はなく、変換効率が上回る製品もラインナップしている。パワーコンディショナについては信頼性の高い大手メーカーから、蓄電池については自社の開発チームで中国大手メーカーと共同開発している。ソーラー発電所の建設エリアとしては、東北から千葉圏を中心とする関東エリアのほか、近畿並びに九州エリアまで展開。東日本エリアはWWB、九州エリアはバローズが主に手掛けている。
そのほか、新規事業としてWWBが風力発電事業を開始している。北海道檜山エリアにおいて風力発電所(陸上・小型)の開発を完了、2020年3月より売電を開始している。また、蓄電池事業についても、産業用・家庭用蓄電池に参入する構えで、これに先駆けて折り畳み式軽量モジュールとセットしたポータブルバッテリー「楽でんくん」を自社開発し、2019年10月より販売を開始している。
(2) 太陽光パネル製造事業
2021年6月期第2四半期(2020年10月〜12月)から連結化したベトナムの太陽光パネル製造販売企業であるVSUNの事業となる。VSUNはFUJI SOLAR傘下の会社として2015年6月に設立され、日本の技術者のノウハウを注入しながら育成し、今や生産能力で2.6GWと世界上位16社に入る日系では最大のメーカーに成長したと同社は説明している。VSUNは主に欧州向けの輸出で伸びてきたが、ここ数年は米国市場への開拓も進み、販売を大きく伸ばしている。業績は急成長を続けており、今後、ベトナム株式市場でのIPOも進めていく予定となっている。なお資本構成について見ると、同社の100%子会社であるWWBのFUJI SOLARに対する出資比率は51%、FUJI SOLARのVSUNに対する出資比率は84.85%であるため、実質的な持分比率は約43%となり、残りの持分は非支配株主利益となる。
(3) IT事業
IT事業は子会社のAbitで、企業の業務効率化を支援する情報共有・ナレッジマネジメントツール「Knowledge Market®」の販売のほか、マイクロソフトのコラボレーションソフト「Share Point」等のライセンス販売、導入支援サービスを展開している。近年はIoT、RPA、AI等の成長分野にフォーカスしているほか、IT技術を生かしてソーラー発電所向けの遠隔監視システムの開発販売なども行っている。
(4) 光触媒事業
光触媒事業は、子会社の日本光触媒センターで光触媒酸化チタンコーティング剤とそれを利用した製品の製造販売等を主に事業展開している。光触媒とは、太陽や蛍光灯などの光エネルギーが当たると、その表面で触媒反応による酸化分解が起き、有害な微生物や化学物質を分解・除去する作用のことを指す。この原理を活用して、対象物に光触媒酸化チタンコーティング剤を塗布することで、防汚機能、大気浄化機能、空気浄化・脱臭機能、シックハウス対策機能、抗菌・抗カビ・抗ウィルス機能などの効果を持たせることが可能となる。
こうした光触媒の作用を活用して、建物や店舗の外壁・フロント、病院・福祉施設の室内、トイレ・バスルームなどの建材向けに販売してきたが、コロナ禍によって、光触媒効果の1つである抗菌・抗ウィルス機能が注目されたことで、同社も感染症対策に有効な製品として、抗菌・抗ウィルス製品「blocKIN(ブロッキン)」の販売を2020年3月より開始。銀イオン(Ag)を配合したハイライン製品「blocKIN HYPER(ブロッキンハイパー) 」も市場投入するなど、ラインナップを充実させている。
また、医療機関や介護医療施設、学校、保育園、公共施設、食品加工工場、レストラン、カラオケボックスなど各種施設向けに抗菌・抗ウィルス施工サービスを行う「光触媒LIFE」事業を新たに立ち上げ、販売代理店やフランチャイズオーナーの募集を開始している。同社の光触媒溶液の主原料は水と酸化チタンであり、化学物質を含まない独創的技術性により高い抗菌・抗ウィルス効果、脱臭性、持続性などを強みとする。
(5) その他
その他事業として、WWBにおいて建設機械の販売・レンタルリースを国内及び東南アジアで展開している。中古建機の取扱いで強みを持ち、中国の世界的建機メーカーである三一重工(SANY)やサンワードの正規代理店となっている。顧客は国内外の建設会社や土木工事会社、物流関連会社、輸出入販売会社等である。ここ最近では、東南アジアのODAプロジェクトで現地に進出している日系ゼネコン会社向けの受注を獲得しているほか、ソーラー発電プロジェクトの建設現場で利用するなど、事業間の連携も進んでいる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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3. 事業内容
同社グループは、グリーンエネルギー事業と新たに加わった太陽光パネル製造事業を両輪に、グリーンエネルギーの総合カンパニーを形成している。2021年6月期第2四半期累計の事業セグメント別構成比で見ると、グリーンエネルギー事業が売上高の21.6%、セグメント利益の49.0%を占め、また太陽光パネル製造事業が売上高の75.7%、セグメント利益の53.2%占めている。
(1) グリーンエネルギー事業
同社グループでは、ソーラー発電に関する企画・開発から施工、O&M※1までを一貫して行う垂直統合型のワンストップソリューションを展開。近年では、低圧案件を含めて発電所の自社保有化を推進している。ソーラーパネル及び関連商材(パワーコンディショナ、蓄電池等)の仕入販売やソーラー発電所の売買(中古案件含む)、自社運営による売電等も行い、またエネルギー需要が旺盛な東南アジア圏や台湾などで現地企業との合弁等により、EPC事業※2やIPP事業※3なども行っている。
※1 O&M(オペレーション&メンテナンス):太陽光発電設備等の保守・管理サービス。データ解析を含む日常的な発電状況の把握及び監視、並びに定期点検を通じた設備性能の維持、事故の早期発見、部品・機器の交換等を適時実施している。
※2 EPC事業とは、設計(Engineering)、調達(Procurement)、建設(Construction)を含む、プロジェクトの建設工事請負事業のこと。
※3 IPP(Independent Power Producer)事業とは、自らが所有する発電設備で作った電力を電力会社に卸売する事業を指す。
顧客は、ソーラー発電所を保有する国内外のIPP事業者のほか、住宅用ソーラーパネル及び関連商材の卸販売や一般事業会社及び公共施設等(ソーラーパネル設置工事)で、BtoBビジネスに属する。ソーラーパネルは、自社ブランド「Maxar®(マクサ)」を販売している。マクサブランドのパネルは性能、価格面ともに大手中国メーカー製と遜色はなく、変換効率が上回る製品もラインナップしている。パワーコンディショナについては信頼性の高い大手メーカーから、蓄電池については自社の開発チームで中国大手メーカーと共同開発している。ソーラー発電所の建設エリアとしては、東北から千葉圏を中心とする関東エリアのほか、近畿並びに九州エリアまで展開。東日本エリアはWWB、九州エリアはバローズが主に手掛けている。
そのほか、新規事業としてWWBが風力発電事業を開始している。北海道檜山エリアにおいて風力発電所(陸上・小型)の開発を完了、2020年3月より売電を開始している。また、蓄電池事業についても、産業用・家庭用蓄電池に参入する構えで、これに先駆けて折り畳み式軽量モジュールとセットしたポータブルバッテリー「楽でんくん」を自社開発し、2019年10月より販売を開始している。
(2) 太陽光パネル製造事業
2021年6月期第2四半期(2020年10月〜12月)から連結化したベトナムの太陽光パネル製造販売企業であるVSUNの事業となる。VSUNはFUJI SOLAR傘下の会社として2015年6月に設立され、日本の技術者のノウハウを注入しながら育成し、今や生産能力で2.6GWと世界上位16社に入る日系では最大のメーカーに成長したと同社は説明している。VSUNは主に欧州向けの輸出で伸びてきたが、ここ数年は米国市場への開拓も進み、販売を大きく伸ばしている。業績は急成長を続けており、今後、ベトナム株式市場でのIPOも進めていく予定となっている。なお資本構成について見ると、同社の100%子会社であるWWBのFUJI SOLARに対する出資比率は51%、FUJI SOLARのVSUNに対する出資比率は84.85%であるため、実質的な持分比率は約43%となり、残りの持分は非支配株主利益となる。
(3) IT事業
IT事業は子会社のAbitで、企業の業務効率化を支援する情報共有・ナレッジマネジメントツール「Knowledge Market®」の販売のほか、マイクロソフト
(4) 光触媒事業
光触媒事業は、子会社の日本光触媒センターで光触媒酸化チタンコーティング剤とそれを利用した製品の製造販売等を主に事業展開している。光触媒とは、太陽や蛍光灯などの光エネルギーが当たると、その表面で触媒反応による酸化分解が起き、有害な微生物や化学物質を分解・除去する作用のことを指す。この原理を活用して、対象物に光触媒酸化チタンコーティング剤を塗布することで、防汚機能、大気浄化機能、空気浄化・脱臭機能、シックハウス対策機能、抗菌・抗カビ・抗ウィルス機能などの効果を持たせることが可能となる。
こうした光触媒の作用を活用して、建物や店舗の外壁・フロント、病院・福祉施設の室内、トイレ・バスルームなどの建材向けに販売してきたが、コロナ禍によって、光触媒効果の1つである抗菌・抗ウィルス機能が注目されたことで、同社も感染症対策に有効な製品として、抗菌・抗ウィルス製品「blocKIN(ブロッキン)」の販売を2020年3月より開始。銀イオン(Ag)を配合したハイライン製品「blocKIN HYPER(ブロッキンハイパー) 」も市場投入するなど、ラインナップを充実させている。
また、医療機関や介護医療施設、学校、保育園、公共施設、食品加工工場、レストラン、カラオケボックスなど各種施設向けに抗菌・抗ウィルス施工サービスを行う「光触媒LIFE」事業を新たに立ち上げ、販売代理店やフランチャイズオーナーの募集を開始している。同社の光触媒溶液の主原料は水と酸化チタンであり、化学物質を含まない独創的技術性により高い抗菌・抗ウィルス効果、脱臭性、持続性などを強みとする。
(5) その他
その他事業として、WWBにおいて建設機械の販売・レンタルリースを国内及び東南アジアで展開している。中古建機の取扱いで強みを持ち、中国の世界的建機メーカーである三一重工(SANY)やサンワードの正規代理店となっている。顧客は国内外の建設会社や土木工事会社、物流関連会社、輸出入販売会社等である。ここ最近では、東南アジアのODAプロジェクトで現地に進出している日系ゼネコン会社向けの受注を獲得しているほか、ソーラー発電プロジェクトの建設現場で利用するなど、事業間の連携も進んでいる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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