■業績動向
1. 2020年12月期の業績概要
不二精機<6400>の2020年12月期連結業績は売上高5,913百万円(前期比10.3%減)、営業利益283百万円(同26.9%減)、経常利益142百万円(同58.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益99百万円(同65.8%減)となった。2020年11月に公表した予想に対しては、売上高で575百万円未達、営業利益では24百万円上回った。売上面では、医療機器用精密金型をはじめとする射出成形用精密金型及び成形システム事業において、コロナ禍の影響から顧客との間で検収手続きに遅延が生じたことが減収要因となった。利益面では、受注残の消化で操業度が高い状態に維持されたうえ、利益率の高い製品の売上高が想定を上回ったため、減収でも利益を維持した。
セグメント別では射出成形用精密金型及び成形システム事業が売上高2,327百万円(前期比20.4%減)、営業利益267百万円(同4.4%減)となった。売上高の56.7%を占める医療機器用精密金型の売上がコロナ禍の影響から顧客との間で検収手続きに遅延が生じたことなどで減少した。利益面では、未検収の受注残を残している状況であるため各工場の稼働率は高い状態にあり、利益の減少は最小限に止まった。
一方、納期の短い精密成形品その他事業は、売上高3,586百万円(前期比2.3%減)、営業利益23百万円(同78.6%減)となった。主力製品の自動車部品用成形品は東南アジア市場を中心に中期的な受注を獲得し、インドネシアやタイでの増産設備稼働に加えて秋元精機工業の子会社化もプラス要因となった。しかし、全般的にコロナ禍の影響による稼働率の低下が大きく、経費削減を実行したものの補えきれず、利益は大幅減を余儀なくされた。
営業利益の増減要因をまとめると、為替影響を除いた売上高減少額が607百万円のマイナス効果に対し、減産で材料費・外注費の減少257百万円及び製造経費や労務費削減で補えず粗利益が201百万円減少、販管費などの削減88百万円に対しても売上減の方が大きく、前期比104百万円(26.9%減)の営業減益となった。経常利益ではさらに債務の換算差損90百万円もあり、前期比200百万円(58.5%減)と減益幅が大きくなった。
財務状況は緩やかに改善傾向も、更なる財務体質の強化が必要
2. 財務状況
同社は、収益の長期低迷を経た後に海外での収益基盤が安定してきた。純資産も増加に転じ、自己資本比率が2018年12月期第2四半期末にようやく20%超まで回復し、2020年12月期末には22.3%となった。しかし、同社は更なる財務体質の強化が必要であると考えている。キャッシュ・フローについては海外工場の設備増強が継続していることから、2020年12月期のフリー・キャッシュ・フローは2019年12月期より縮小したものの、マイナスが続いた。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 岡本 弘)
<EY>
1. 2020年12月期の業績概要
不二精機<6400>の2020年12月期連結業績は売上高5,913百万円(前期比10.3%減)、営業利益283百万円(同26.9%減)、経常利益142百万円(同58.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益99百万円(同65.8%減)となった。2020年11月に公表した予想に対しては、売上高で575百万円未達、営業利益では24百万円上回った。売上面では、医療機器用精密金型をはじめとする射出成形用精密金型及び成形システム事業において、コロナ禍の影響から顧客との間で検収手続きに遅延が生じたことが減収要因となった。利益面では、受注残の消化で操業度が高い状態に維持されたうえ、利益率の高い製品の売上高が想定を上回ったため、減収でも利益を維持した。
セグメント別では射出成形用精密金型及び成形システム事業が売上高2,327百万円(前期比20.4%減)、営業利益267百万円(同4.4%減)となった。売上高の56.7%を占める医療機器用精密金型の売上がコロナ禍の影響から顧客との間で検収手続きに遅延が生じたことなどで減少した。利益面では、未検収の受注残を残している状況であるため各工場の稼働率は高い状態にあり、利益の減少は最小限に止まった。
一方、納期の短い精密成形品その他事業は、売上高3,586百万円(前期比2.3%減)、営業利益23百万円(同78.6%減)となった。主力製品の自動車部品用成形品は東南アジア市場を中心に中期的な受注を獲得し、インドネシアやタイでの増産設備稼働に加えて秋元精機工業の子会社化もプラス要因となった。しかし、全般的にコロナ禍の影響による稼働率の低下が大きく、経費削減を実行したものの補えきれず、利益は大幅減を余儀なくされた。
営業利益の増減要因をまとめると、為替影響を除いた売上高減少額が607百万円のマイナス効果に対し、減産で材料費・外注費の減少257百万円及び製造経費や労務費削減で補えず粗利益が201百万円減少、販管費などの削減88百万円に対しても売上減の方が大きく、前期比104百万円(26.9%減)の営業減益となった。経常利益ではさらに債務の換算差損90百万円もあり、前期比200百万円(58.5%減)と減益幅が大きくなった。
財務状況は緩やかに改善傾向も、更なる財務体質の強化が必要
2. 財務状況
同社は、収益の長期低迷を経た後に海外での収益基盤が安定してきた。純資産も増加に転じ、自己資本比率が2018年12月期第2四半期末にようやく20%超まで回復し、2020年12月期末には22.3%となった。しかし、同社は更なる財務体質の強化が必要であると考えている。キャッシュ・フローについては海外工場の設備増強が継続していることから、2020年12月期のフリー・キャッシュ・フローは2019年12月期より縮小したものの、マイナスが続いた。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 岡本 弘)
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