■事業概要
テックポイント・インク<6697>は、監視(防犯)カメラシステム及び車載カメラシステム向けの受送信半導体の設計開発、マーケティング、販売を行っているファブレス半導体企業である。自社工場を保有せず、外部の製造専門会社に製造を委託するビジネスモデルである点が特徴となっており、半導体の設計及び販売・マーケティングにリソースを集中させることで、効率の良い経営を目指している。このほか、カメラで撮影された映像を記録するための装置である「デジタル・ビデオ・レコーダー(DVR)」向け受信用半導体も提供している。監視カメラ、車載カメラ及びDVRに同社半導体を用いることによって、従来型のSD(スタンダード・ディフィニション)解像度より、鮮明に対象物を映し出せるHD(ハイ・ディフィニション)解像度に高画質化したシステムを実現することができる。さらに、従来型のSD解像度カメラで使用されている低価格な同軸ケーブルを伝送媒体に用いながら、HD画質の映像を圧縮せずにアナログ方式でも信頼性の高い伝送が可能になるという。この方式は、監視カメラ業界では「HDアナログ伝送」と呼ばれており、世界中で多数の監視カメラシステムメーカーに採用されている。
次世代HDビデオ市場のニーズの高まりに対応することを目指し、米国に複数の設計拠点と、中国、台湾、韓国、日本とアジア各地にオフィスを持ち、ターゲット市場において最先端の技術を確立していく戦略を採用している。これにより2012年4月に設立された新興企業である同社が、HD監視カメラ及びHD車載ビデオ市場において高い市場占有率を迅速に築くことにつながった。今後はいわゆる「4K」といった高画質映像をスムーズに伝送する技術に磨きをかけながら、収益の拡大を目指していく考えだ。なお、監視システム市場においては、中国の最大手DVRメーカーであるHikvision(ハイクビジョン)、韓国の最大手DVRメーカーであるHanwha - Techwin、台湾の最大手DVRメーカーであるAVTECH(エーヴィテック)などに同社製品が採用されている。
(1) 監視カメラシステム
既存の同軸ケーブルをそのままに、監視カメラの映像をフルハイビジョンで長距離伝送できる半導体を設計開発している。既に敷設済みのインフラを活用でき、設備投資コストの削減が可能な点が特徴となっている。伝送方式は「HD-TVI」と呼ぶ、同社の独自規格を用いる。監視カメラに組み込み、映像を送信する半導体(トランスミッター:Tx)と、映像記録装置に組み込んで、映像を受信する半導体(レシーバー:Rx)の2製品を揃えている。1080pのフルハイビジョン映像を、500m以上、低コストの同軸ケーブルで伝送可能となる。
(2) 車載カメラシステム
自動車のリアカメラ(バックカメラ)システムや、サラウンドビューカメラシステムで映像をやりとりするための半導体を設計開発している。ナビゲーションなどのディスプレイに、フルハイビジョンの映像を表示できるシステムである。伝送方式は、「HD-TVI」と呼ばれる同社の独自規格を用いる。リアカメラなどに組み込んで映像を送信する半導体(トランスミッター:Tx)と、カーナビゲーションシステムなど車載機に組み込んで映像を受信する半導体(レシーバー:Rx)の2製品を揃えている。映像を圧縮せずに伝送するため遅延が少なく、伝送時のノイズも少ないのが特長である。このほか、カーナビや電子ミラーに向けた液晶ディスプレイコントローラーも設計開発し、出荷している。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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テックポイント・インク<6697>は、監視(防犯)カメラシステム及び車載カメラシステム向けの受送信半導体の設計開発、マーケティング、販売を行っているファブレス半導体企業である。自社工場を保有せず、外部の製造専門会社に製造を委託するビジネスモデルである点が特徴となっており、半導体の設計及び販売・マーケティングにリソースを集中させることで、効率の良い経営を目指している。このほか、カメラで撮影された映像を記録するための装置である「デジタル・ビデオ・レコーダー(DVR)」向け受信用半導体も提供している。監視カメラ、車載カメラ及びDVRに同社半導体を用いることによって、従来型のSD(スタンダード・ディフィニション)解像度より、鮮明に対象物を映し出せるHD(ハイ・ディフィニション)解像度に高画質化したシステムを実現することができる。さらに、従来型のSD解像度カメラで使用されている低価格な同軸ケーブルを伝送媒体に用いながら、HD画質の映像を圧縮せずにアナログ方式でも信頼性の高い伝送が可能になるという。この方式は、監視カメラ業界では「HDアナログ伝送」と呼ばれており、世界中で多数の監視カメラシステムメーカーに採用されている。
次世代HDビデオ市場のニーズの高まりに対応することを目指し、米国に複数の設計拠点と、中国、台湾、韓国、日本とアジア各地にオフィスを持ち、ターゲット市場において最先端の技術を確立していく戦略を採用している。これにより2012年4月に設立された新興企業である同社が、HD監視カメラ及びHD車載ビデオ市場において高い市場占有率を迅速に築くことにつながった。今後はいわゆる「4K」といった高画質映像をスムーズに伝送する技術に磨きをかけながら、収益の拡大を目指していく考えだ。なお、監視システム市場においては、中国の最大手DVRメーカーであるHikvision(ハイクビジョン)、韓国の最大手DVRメーカーであるHanwha - Techwin、台湾の最大手DVRメーカーであるAVTECH(エーヴィテック)などに同社製品が採用されている。
(1) 監視カメラシステム
既存の同軸ケーブルをそのままに、監視カメラの映像をフルハイビジョンで長距離伝送できる半導体を設計開発している。既に敷設済みのインフラを活用でき、設備投資コストの削減が可能な点が特徴となっている。伝送方式は「HD-TVI」と呼ぶ、同社の独自規格を用いる。監視カメラに組み込み、映像を送信する半導体(トランスミッター:Tx)と、映像記録装置に組み込んで、映像を受信する半導体(レシーバー:Rx)の2製品を揃えている。1080pのフルハイビジョン映像を、500m以上、低コストの同軸ケーブルで伝送可能となる。
(2) 車載カメラシステム
自動車のリアカメラ(バックカメラ)システムや、サラウンドビューカメラシステムで映像をやりとりするための半導体を設計開発している。ナビゲーションなどのディスプレイに、フルハイビジョンの映像を表示できるシステムである。伝送方式は、「HD-TVI」と呼ばれる同社の独自規格を用いる。リアカメラなどに組み込んで映像を送信する半導体(トランスミッター:Tx)と、カーナビゲーションシステムなど車載機に組み込んで映像を受信する半導体(レシーバー:Rx)の2製品を揃えている。映像を圧縮せずに伝送するため遅延が少なく、伝送時のノイズも少ないのが特長である。このほか、カーナビや電子ミラーに向けた液晶ディスプレイコントローラーも設計開発し、出荷している。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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