■要約
ネクスグループ<6634>は、ファブレス型の通信機器メーカーである(株)ネクス、インターネットで旅行代理店事業を展開するイー・旅ネット・ドット・コム(株)、エスニックファッションや雑貨の輸入販売を手掛ける(株)チチカカなどを擁するホールディングカンパニー。現在は、「IoT関連事業」「インターネット旅行事業」「ブランドリテールプラットフォーム事業」「暗号資産・ブロックチェーン事業」「その他」の5セグメントで事業を展開している。
2020年11月期の連結業績は、売上高が6,561百万円(前期比32.2%減)、営業損失が620百万円(前期は633百万円の損失)、経常損失が597百万円(同678百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失が1,361百万円(同1,272百万円の損失)となった。IoT関連事業では、在宅勤務などのテレワーク導入企業の増加が追い風となり売上高が大きく伸長した。しかし、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響を受け、インターネット旅行事業で旅客数が大幅に減少したことに加え、ブランドリテールプラットフォーム事業でリアル店舗が一時休業・時短営業したことや来客数が減少したことにより、それぞれ大幅な減収となった。その結果、グループ連結も減収となった。一方利益面では、販管費の圧縮等によって損益ベースではおおむね前期並みの着地となった。世界的なコロナ禍により景気減速が急速に強まるという事業環境において、同社では、ブランドリテールプラットフォーム事業で構造改革を推進するものの、インターネット旅行事業では旅客数が大幅に減少し苦戦している。しかし、IoT関連事業については、テレワークなどの進展で追い風となっており、注力を進める。
2021年11月期の連結業績予想については、コロナ禍が及ぼす影響額について、今後の取り組みを見込んだ正確な予測が困難であるとし、未定としている。しかしながら同社では、コロナ禍が通期にわたり影響を及ぼした場合でも、黒字回復を目標としているもようだ。コロナ禍の今後の状況については予測不能であり、同社の各事業に与える影響も正確な予測は困難である。しかし、いずれにしても今後は「withコロナ」の新生活様式に対応したビジネスモデルに早期転換させていく必要があるものと思われる。そういった意味で、同社の各事業がシナジーを発揮して、特にIoT関連事業のノウハウを核とした新製品・新サービスを早期に確立していくことが重要と弊社では考える。
同社は、中長期経営方針において、対処すべき課題等として、1)事業構造改革の推進、2)IoT関連事業の拡大、3)財務体制の強化、4)事業ポートフォリオの分散化、5)ブランドイメージ戦略を挙げている。事業構造改革をはじめとしてグループ各社のシナジーの発揮、営業力強化などで事業収益性を強化し、安定した利益確保を目指すことが当面の目標である。
株主還元については、株主に対する利益還元を経営戦略上の重要要素と考え、利益配分については経営基盤の安定及び将来の事業拡大に向けての内部留保の充実を勘案しつつ、収益やキャッシュ・フローの状況に応じた配当を実施していくとしている。しかしながら、2021年11月期の配当予想については、当面は内部留保を厚くすることで経営基盤の強化を図るため、無配としている。
■Key Points
・設立以来の通信機器の技術、IoTをベースに先端分野へ事業展開
・2020年11月期はコロナ禍の影響を受けるも、IoT関連事業は伸長
・2021年11月期通期業績予想は未定とするも、IoT関連事業を核に回復を図る
(執筆:フィスコ客員アナリスト 山田秀樹)
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ネクスグループ<6634>は、ファブレス型の通信機器メーカーである(株)ネクス、インターネットで旅行代理店事業を展開するイー・旅ネット・ドット・コム(株)、エスニックファッションや雑貨の輸入販売を手掛ける(株)チチカカなどを擁するホールディングカンパニー。現在は、「IoT関連事業」「インターネット旅行事業」「ブランドリテールプラットフォーム事業」「暗号資産・ブロックチェーン事業」「その他」の5セグメントで事業を展開している。
2020年11月期の連結業績は、売上高が6,561百万円(前期比32.2%減)、営業損失が620百万円(前期は633百万円の損失)、経常損失が597百万円(同678百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失が1,361百万円(同1,272百万円の損失)となった。IoT関連事業では、在宅勤務などのテレワーク導入企業の増加が追い風となり売上高が大きく伸長した。しかし、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響を受け、インターネット旅行事業で旅客数が大幅に減少したことに加え、ブランドリテールプラットフォーム事業でリアル店舗が一時休業・時短営業したことや来客数が減少したことにより、それぞれ大幅な減収となった。その結果、グループ連結も減収となった。一方利益面では、販管費の圧縮等によって損益ベースではおおむね前期並みの着地となった。世界的なコロナ禍により景気減速が急速に強まるという事業環境において、同社では、ブランドリテールプラットフォーム事業で構造改革を推進するものの、インターネット旅行事業では旅客数が大幅に減少し苦戦している。しかし、IoT関連事業については、テレワークなどの進展で追い風となっており、注力を進める。
2021年11月期の連結業績予想については、コロナ禍が及ぼす影響額について、今後の取り組みを見込んだ正確な予測が困難であるとし、未定としている。しかしながら同社では、コロナ禍が通期にわたり影響を及ぼした場合でも、黒字回復を目標としているもようだ。コロナ禍の今後の状況については予測不能であり、同社の各事業に与える影響も正確な予測は困難である。しかし、いずれにしても今後は「withコロナ」の新生活様式に対応したビジネスモデルに早期転換させていく必要があるものと思われる。そういった意味で、同社の各事業がシナジーを発揮して、特にIoT関連事業のノウハウを核とした新製品・新サービスを早期に確立していくことが重要と弊社では考える。
同社は、中長期経営方針において、対処すべき課題等として、1)事業構造改革の推進、2)IoT関連事業の拡大、3)財務体制の強化、4)事業ポートフォリオの分散化、5)ブランドイメージ戦略を挙げている。事業構造改革をはじめとしてグループ各社のシナジーの発揮、営業力強化などで事業収益性を強化し、安定した利益確保を目指すことが当面の目標である。
株主還元については、株主に対する利益還元を経営戦略上の重要要素と考え、利益配分については経営基盤の安定及び将来の事業拡大に向けての内部留保の充実を勘案しつつ、収益やキャッシュ・フローの状況に応じた配当を実施していくとしている。しかしながら、2021年11月期の配当予想については、当面は内部留保を厚くすることで経営基盤の強化を図るため、無配としている。
■Key Points
・設立以来の通信機器の技術、IoTをベースに先端分野へ事業展開
・2020年11月期はコロナ禍の影響を受けるも、IoT関連事業は伸長
・2021年11月期通期業績予想は未定とするも、IoT関連事業を核に回復を図る
(執筆:フィスコ客員アナリスト 山田秀樹)
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