東京綱、非開示だった今期経常は78%減益、未定だった配当は無配継続

配信元:株探
投稿:2021/02/10 13:00
 東京製綱 <5981> が2月10日後場(13:00)に決算を発表。21年3月期第3四半期累計(4-12月)の連結経常損益は5.5億円の赤字(前年同期は1億円の赤字)に赤字幅が拡大した。
 併せて、非開示だった通期の業績予想は連結経常利益が前期比77.6%減の1億円に落ち込む見通しを示した。

 会社側が発表した第3四半期累計の実績と通期計画に基づいて、当社が試算した1-3月期(4Q)の連結経常利益は前年同期比18.8%増の6.5億円に伸びる計算になる。

 同時に、従来未定としていた期末一括配当を見送る(前期は無配)とし、無配継続する方針とした。

 直近3ヵ月の実績である10-12月期(3Q)の連結経常損益は2.9億円の黒字(前年同期は1.1億円の赤字)に浮上し、売上営業損益率は前年同期の-0.6%→3.7%に大幅改善した。

株探ニュース

会社側からの【修正の理由】
 2021年3月期の連結業績予想値につきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大懸念など先行き不透明な状況により、その影響額を合理的に見積もることが困難なことから未定としておりましたが、現時点において入手可能な情報や予測等に基づき業績予想を算定いたしましたので公表いたします。第3四半期に入り、新型コロナウイルス感染症で大きく影響を受けていたスチールコード事業はじめ自動車関連製品の需要が急速に回復してきていること、また、遅延していた防災関連事業等の国内工事が進捗していることなどから、第3四半期の3カ月間の利益は連結全体で黒字に転換し、新型コロナウイルス感染症の影響が生じる以前の前年同期比においても全セグメントで増益または赤字幅縮小に転じました。第4四半期につきましては、コロナウイルス禍で引き続き国内鋼索での需要低迷など一部影響は継続する見込みですが、昨年11月に受注した米国大型橋梁向け土木用炭素繊維ケーブルの生産や国内工事の進捗など概ね堅調に推移することが見込まれることから、通期においては黒字を確保する見込みであります。

 当社は、財務基盤の強化や事業展開に必要な内部留保を勘案のうえ、安定的な配当継続を基本方針としつつ、事業創造に邁進し、収益力強化を通じた株主還元の拡大を目指しております。当期業績に関しましては足元で業績が急速に回復してきているものの、配当原資となる親会社株主に帰属する当期純利益においては、上期業績に及ぼしたコロナウイルス感染症による影響が甚大であることから、誠に遺憾ではございますが、未定としておりました当期の期末配当予想を無配とさせていただきます。株主の皆様には、深くお詫び申し上げますとともに、既存事業で取り組んでおります各構造改革の効果や、成長戦略事業の進捗もあることから、早期の業績回復と復配に努めてまいりますので、引き続きご支援を賜りますようお願い申し上げます。(注)上記の予想は、本資料の発表日現在において入手可能な情報により作成したものであり、実際の業績は今後様々な要因によって異なる可能性があります。
配信元: 株探

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