BBT Research Memo(9):リカレント教育サービス、国際バカロレアの普及拡大で中長期的な収益成長を目指す

配信元:フィスコ
投稿:2021/01/25 16:19
■今後の見通し

2. 成長戦略
ビジネス・ブレークスルー<2464>は中期的な成長戦略として、「リカレント教育の推進とプログラムの拡充」「法人営業の強化」「国際バカロレアの普及・拡大」の3点に取り組み、収益を拡大していく戦略だ。

(1) リカレント教育事業
21世紀においては、AIやロボットの普及とともに、多くの仕事がこれらに代替されることが予見される。従って、今後はAIやロボットに代替されない能力、あるいはAIを味方にするための能力を身に付ける事の重要性が増し、こうした領域における個人の「学び直し」の場となるリカレント教育のニーズが拡大するものと予想される。企業経営上も、コロナ禍を契機として、これまで通用した経営戦略やビジネスモデルが通用しなくなる「デジタル・ディスラプション」が進行しつつあり、次代のリーダーやグローバル人材、イノベーター等の育成が重要である。こうした観点から同社は、BtoC、BtoBの双方の領域において最新の人材再教育(リカレント教育)に対する事業機会が増すと見ている。

同社はこれらニーズを取り込むため、全社的なBtoCの営業強化に向けた取り組みをスタートさせている(BtoCリカレントプロジェクトを発足し活動)。また、BtoB向けでは企業の人事担当者向けに無料のオンラインセミナーを開催し、BtoBリカレント教育体系の導入支援の取り組みを進めているほか、組織体制強化による新規顧客の獲得や主要顧客における売上深耕を進めていく方針を打ち出している。中長期的には1社当たり売上高10百万円超の規模となる顧客数を100~200社まで増やしていくことを目標としている。特にここ最近の傾向はオンライン研修、またはオンラインと集合型を組み合わせたブレンド型の教育研修サービスのニーズが増加傾向にあり、両サービスの運用ノウハウを持ち、また新人研修から経営トップ層の人材育成サービスまでをカバーする同社にとって、成長機会は高まっていると言える。

国内のリカレント教育の現状を見ると、25歳以上の社会人が学士課程へ入学する割合は、OECD加盟国の平均が20%に対し、日本は2%と大きく遅れている。政府では社会人の大学等での「学び」を支援するための補助金制度の拡充も進めており、リカレント教育の市場は拡大していくことが予想される。リカレント教育では場所と時間を選ばないオンライン教育サービスの需要が今後伸びていくものと予想され、同社にとっては追い風になると考えられる。2019年7月にサービスを開始した「BBTルーティン」などはその導線役になるものとして今後の成長が期待される。

(2) プラットフォームサービス事業
同社はバイリンガルプリスクールを都心部で開設し、最終的には東京23区を中心に10~15拠点まで拡大、IB認定取得校として「アジアNo.1のインターナショナルスクール」を目指していく。同社では2022年3月期までを将来の成長に向けた先行投資期間として位置付けているようだ。

自社の拠点展開だけで「アジアNo.1のインターナショナルスクール」の実現を目指していく期間を成長の第1フェーズとすれば、成長の第2フェーズは蓄積してきたノウハウやコンテンツをもとに、プラットフォームサービスとして他の教育機関に提供していくフェーズとなる。前述したように国内では200校のIB認定取得が文部科学省の目標であり、潜在需要は大きいと言える。プラットフォームサービスは、生徒向けの学習プログラムを提供するサービスと、教員向けの研修プログラムサービスとに分けられる。

生徒向け学習プログラムのうちオンラインで提供可能なものについては、コンテンツ化して「AirCampus®」を通じて提供していくことになる。現在はAJISでブレンド型教育を実施しており、科目別に学習指導法などの課題点を抽出し、ブラッシュアップを進めている。今後はこうしたブレンド型教育のコンテンツやノウハウを他校に提供していくことを視野に入れている。

また、教員向け研修プログラムについては、IBの導入を目指す学校だけでなくアクティブ・ラーニング型学習を志向する学校に対する需要も見込まれる。アクティブ・ラーニングについては指導内容等が従来と大きく変わるため、一定程度の研修が必要になると見ている。同社は、グループの各校・園で取り組んできた実績やノウハウを基盤として、ブレンド型教育を現場で実践できるような教育システムとして確立した後に、外部の教員向けサービスとして提供していく考えだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


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