DeFiプロジェクト「1inch Exchange」【フィスコ・暗号資産コラム】

配信元:フィスコ
投稿:2020/12/29 11:46
1inch Exchangeは、32種類の流動性ソース(DEXやレンディングサービス)から最良レートでのトークン交換を実現するDEXアグリゲーターである。ここ数ヶ月における1inchの平均取引高は月に約10億ドルであり、DEX市場全体の6~10%に当たる取引が1inchを介して行われていると見られる。

1inchのスマートコントラクトは、トークンを複数の流動性ソースへ分割し、結果的に最良のリターンを得られるようにスワップが行われる。他にも、指値注文やガス手数料の設定、流動性ソースの選択など、トレーダーの好みに応じて、様々なカスタマイズを行うことができる。現在、1inchはサービスに一切の利用手数料を課しておらず、VCから調達した資金を元手にサービス拡大を優先しているが、将来的にサービス手数料を課す可能性も考えられよう。

1inchのガバナンストークンである1INCHトークンは、ネットワークの開発・セキュリティ維持費用、開発チームの雇用、初期投資家やアドバイザーへの利益配分などを目的に発行されるものであり、12月25日から配布が開始された。流動性マイニングでは、1inchの開発企業が別途開発したAMM DEXであるMooniswapの流動性提供者にトークンが分配される。

DEXアグリゲーターではParaswapや0x APIなどが1inchの競合だが、DuneAnalyticsによれば、現状で取引高シェアが最も大きいのは1inchであるという。アグリゲーターのパフォーマンスを比較する際は、「表示された交換レート」ではなく、取引後に分かる「実際の交換レート」を見ることが重要である。さらに、支払ったガス手数料やアグリゲーターのサービス手数料を差し引いた上で、最終的に返ってくるトークン額で比較する必要がある。その点では0x APIが最良レートを提供していたという見方もあり、今後、1inchのシェアが脅かされる可能性も否定できない。

11月、1inchはV2をローンチした。これまでは流動性の違いに応じて各DEXに分割されていたが、V2ではそれぞれの各DEXプロトコル内においても分割が行われる。CompoundやAaveなどのレンディングサービスなどを統合することで、債権トークン(cETH、aWBTC等)も最良レートで取引できるようになった。

また、フロントランニング防止機能も搭載されている。フロントランニングとは、攻撃対象者の注文を監視していた攻撃者が先回りして自身の注文を処理することで、攻撃対象者をより不利なレートで取引させる手段である。これによって攻撃者は利ざやを稼ぐことができる。フロントランニングは全てのDEXが抱える大きな問題の一つであるが、1inchは、ユーザーの注文を直接マイナーに送信することで、攻撃者からの監視を防ぐことを目指す。もし本機能でフロントランニングが完全に防止されれば、1inchの利用者は大幅に増加しよう。

出所:https://1inch-exchange.medium.com/1inch-token-is-released-e69ad69cf3ee

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配信元: フィスコ